08/01/18
■ 梅干しの検体前処理
【質問】
 私は食品会社(梅干製造)の研究室に居るものです。私どもの会社では, 以前から梅の実を“リンス”して (約1:1の滅菌水で手で強く攪拌), その0.5 mlを標準寒天培地で28℃, 48時間培養で見ております。どう考えてもおかしいのですが, 従来からの方法で周囲が納得しません。梅の実によってばらつきがあり, ストマック法とリンス法の差を出せる良い方法が見つかりません。また, 28℃は酵母菌を出すためのようで, なぜPDAで測定しないか解りません。

【回答】
 質問の内容は社内の“自主検査”に関することです。“自主検査”はその会社のポリシー (policy) に属することなので, 他者には回答できません。社内で検査方法を確立した経緯を調べてください。周囲の方々を説得するためには, 質問者が“おかしい”(例えば, 何故0.5 mlなのか、28℃なのか, 標準寒天培地なのか, なんのために微生物検査をしているのか, 等々) と感じていることに対して, 自分の考えの根拠を示す必要があります。回答者は, ストマッキングとリンスによる細菌回収に関するデータを取っていますが, 細菌数としてはほぼ同等です。ただストマッキングの欠点は, 食物残さが培地中に残り, コロニーなのか, 食物残さなのかと区別しづらく, 判断が難しくなることだと思います。

(日水製薬・小高 秀正)


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