07/07/17
■ YCA培地の特性
【質問】
 初めて質問させて頂きます。私は微生物学の勉強をしている学生です。

 今回, 微生物学実習でディップスライド法培地を用いた尿の細菌検査を行いました。使用したディップスライド法培地には, 変法マッコンキー培地とYCA培地の二面で構成されていました。変法マッコンキー培地はサルモネアや大腸菌の算定に適した選択培地ということが分かったのですが, YCA培地の組成, またどのような細菌の算定に適した培地かが分かりません。どうか, 回答お願い致します。

【回答】
 YCA培地とはYeast Cystine Azide Agar の略です。酵母エキス (yeast) を含有するため, 栄養要求のある連鎖球菌も発育し, 尿路感染症の原因となる菌種やCandida属はマッコンキー寒天培地, CLED寒天培地に比べより良好に発育します。また窒化ナトリウム (azide) も含むため, Proteus 属の遊走を阻止して菌数測定も容易になります。下記にYCA培地の組成 (1,000ml) を記載します。

 酵母エキス (3 g), ペプトン (10 g), ソイペプトン (5 g), ブドウ糖 (5 g), 亜硫酸ナトリウム (0.2 g), L-シスチン塩酸塩 (0.5 g), 窒化ナトリウム (0.03 g), 寒天 (15 g)でpH 7.4の培地です。

(琉球大学・仲宗根 勇)

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