07/03/27
■“粟粒結核”患者からの感染
【質問】
 はじめまして。100床を持つ特別養護老人ホームに勤務している介護員です。“粟粒結核”についてお聞きしたく, メールしました。

 4人部屋の入所者の一人が, 通院先の病院で“粟粒結核”と診断され, 専門病院へ緊急搬送されました。施設内の看護師から介護員への説明では, 「粟粒結核は感染しない」との説明があったのみで, これに疑問を持ち調べていたところ, このサイトへのアクセスとなりました。粟粒結核が深刻な状態であることは理解できたのですか, 抵抗力のない他の入所者への感染はないものなのか心配になり, 質問させて頂きました。よろしくお願いします。

【回答】
 粟粒結核は結核の中でも最も重症の病態です。それは, 結核病巣, 例えば肺結核の病巣から結核菌が血中に侵入し, 血行性に菌が全身に散布された結果生じたものが粟粒結核です。そのため, 活動性の結核であり, 危険な感染症です。

 結核菌は病原性の強い細菌であり, 条件さえ整えば健康人にも感染します。当然, 抵抗力の低下した患者さんは易感染状態にあるといえます。そのため, 粟粒結核の治療は, 結核専門の病院において, 隔離病室で隔離治療がなされるべきです。

(近畿大学・古田 格)


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