2000年11月の日記;学会シーズンやっと終わり。父、入院!

2000.11.1.(水)
5時まで外来。フー!
5時半より、病院内で第17回緩和ケア研究会。この会は麻酔科のDr.門田と看護部が主催している院内の研究会だが、今回は私も関係のあった症例の報告があるので参加。時々この会に参加させて頂いているが、いつもながら医師の出席者が少ない。きっと、多くの医師にとっては「病気を治す事」だけが重要で、「苦痛を緩和する事」はさほど重要視されていないのであろう。病気を治せればそれは最高であるが、実は治らない病気の方が多いという事が認識されていないのであろう。また、発表を聴いていて、良くも悪くも看護婦さん達と医師の間の考え方にかなりのズレがあるように思った。

2000.11.2.(木)
朝から肉体労働的お仕事。オペ室に入ると帽子をかぶるため、髪の毛ペッタンコ星人になる。外科の先生は大変だなあ。
昼から、学会の予行。まだまだ、直すところ沢山あり。
その後、病棟でトロッカ・カテーテル入れ直し、緊急の骨髄穿刺と続く。なんだか、一日中肉体労働。

2000.11.3.(金)
文化の日で、お休みの日らしい。本日は日当直の予定だったのだが、訳あって(大した訳では無いが)、わがままを言って日直だけカセノ先生に代わっていただいた。カセノ先生ありがとう。
で、何をしたか。朝から御経塚サティへお買い物。昼からミハと町民プールへ。それからミハとモモを風呂に入れてから、大学の当直。ああ、有意義だなあ。カセノ先生ありがとう。
学会準備は自分の分はなんとか光明が見えてきた気もするが、キノシタ先生の分のお手伝いもしなくては。自分の事以上に心配。間に合うかなあ。
ジャイアンツの優勝パレードに36万人も集まったそうである。嘘みたい。最近は日本のプロ野球に全く興味がなくなった(巨人が悪い、渡辺オーナーが悪い)せいもあるが、世の中にはまだそんなに巨人ファンがいるのだなあという感想。

2000.11.4.(土)
午前中は普通に仕事。
午後からは学会準備。夕方からは全日空ホテルで第6回金沢医科大学病院地域医療懇談会。要するに病診連携(病院と診療所の連携)をうまく行なっていくための懇親会。うちの卒業生のOBの先生方も大勢いらしておいでて、ある意味気の張る会である。その会の後、少し飲んで帰宅。

2000.11.5.(日)
朝から、ミハの幼稚園の作品展へ。こんなふうに大勢の子供達の相手をして、制作の指導をするなんて保母さんの仕事って大変だろうなあと思う。
それから、協議の結果、晴れているので石川動物園へ。新しくなってからの石川動物園は良いなあ。かつてのサニーランドの古くて狭くて汚い環境と大違い。そこで、VOWを発見。一人で喜んで写真を撮っていたら、ミハに「こんなのほっといて先に行こう」などと言われてしまった、「こんなの」扱い!

夜8時より近所のお偉方のお宅で、有志による水害に対する会議。要するに、私達の家の周辺が内灘中の排水の溜まって流れてくる、すり鉢の底の状態になっていて、更に最近県道が底上げされて壁が高くなった分余計に水が溜まりやすい。この排水をなんとかしてもらうように、内灘町に動いてもらわないかん、というお話し。15分ほど話し合った後は、そのまま飲み会に。誘われた酒は断わらない主義なので、そのまま地元のお父っあん達と飲む。まあ、こんな機会でもないと近所の人と飲むこともないであろうし、…。

2000.11.6.(月)
教授回診。学会準備の追い込み。キノシタ先生の準備の追い込み。時間が無い…。

2000.11.7.(火)
キノシタ先生の分もギリギリセーフ。出発前に、次週分の指示出しと申し送り書き。科研費の申請を約1時間で仕上げる、といってもここ数年は申請するも当たったためしがないので、昨年の申請書を一部変更しただけだが。あっと気付くと、もうタクシーの来る時間。じゃあね、留守番の皆さんよろしくね〜。
金沢駅に少し早めについたので、おでん屋さんに昼から入ってビールを少々、早くも「学会=飲み会」モードへ。電車の旅は、読みたかったけど読めなかった本を読めるチャンスである。
野口悠紀夫著「金融工学、こんなに面白い」(文芸新書)。『「超」整理法』でおなじみの野口先生の本であり、先に何冊か経済関連の本を読んで予備知識も少しは有り、そしてこのタイトル、であるからスラスラ読めて面白いハズなのだが…。半分以上は残念ながら難解で、「こんなに面白い」とはならない。分からない言葉が多すぎる。しかし、役にたつ記載も勿論有る。「体に良いからといって、ある食物に偏ってはいけない。できるだけ多種類のものを食べよ。できれば、同一種の食物についてもさまざまな産地のものを選べ」そのこころは「農薬などの害でまだよく分かっていないものもある。だから、一つの食物に偏ると、有害物質が体内に蓄積する危険がある」と、これも経済学で言うところの分散投資の原理と説明されると、なるほど納得できる。また、ノーベル賞を得たような経済学の重要な論文の幾つかでも、始めは専門誌の掲載が拒否された事が多いらしい。「だから、君たちが論文を投稿して、意地悪なレフェリーにつき返されたとしても、決して失望しないように。」という部は、自分自身のなかなか掲載されない論文に重ねて、そうそう!と思う事にする。
岡山のホテルはなんと大浴場付き! しかし、いつ入れることか? 
夕食と称して、岡山名物のママカリを求めて繁華街へ。一軒目はお上品なお店すぎて、ママカリには出会えたものの、不完全燃焼。2軒目、とあるスナック。3人で入れたボトルをあっという間に開けながら、カラオケ、更に店のボトルと進行。午前1時30分を廻っていた。明日、発表なのだが…。大浴場は深夜12時までなので、入れず。

2000.11.8.(水)
やはり二日酔いで起きれず、やや遅刻しながらもポスターを貼りに。しかし、その前に学会の参加費¥12000を支払わなければならないのだが、財布のなかには¥7000くらいしかなくて(昨日の浪費!)、会場に一度は行きながらも、またテクテク歩いてキャッシュコーナーのある銀行探し。おかげで、(学会はともかく)倉敷の町並みを早くも堪能。特に、アイビースクエアの中の広場は、天気も良く暖かくて、抹茶ソフトを食しながら、ボーっとしていると時間の経つのを忘れるくらい心地よい。ボリュームを抑え気味の、流れ続けるBGMも快適。
ポスター・セッションの開始時間が遅すぎ。17時25分からというのはあんまりではないかしら。今回の発表は「骨髄非破壊的前処置による同種移植後の急性GVHDに引き続き発症した血球貪食症候群」。座長が国立がんセンターの峯石先生で、峯石先生に助けて頂いたような発表。
夜は、サテライト・シンポジウムから、途中で抜け出し皆でお食事。2次会以後は有志の集いで、例によって午前2時まで深酒。また、大浴場に入れなかった。

2000.11.9.(木)
やはりこの日も二日酔いで起きれず(いい加減に反省すれば良いのだが…)、やや遅刻しながらもキノシタ先生のポスター貼りの手伝い。貼っていると、今回の病理診断に多大なるお世話をおかけした平林先生が登場。懇切丁寧に病理所見をご解説してくださった。感謝感激。
キノシタ先生の発表まで時間があったので、大原美術館へ。モネの「睡蓮」を始めとして、幾つかの有名な美術作品が展示してある。個人的には、やはりピカソのセンスは凄いと思った。
まだ、少し時間有り。オルゴールのコンサートをやっている。入ったはいいが、心地よい音楽に包まれ、眠くて意識を保っているのがやっと。
キノシタ先生の発表。「GVL効果のみで寛解に至り、3年後にTMAで死亡したPh1+ALL症例」。いくつか質問もあったが、どちらかというと、これは大変苦労をした症例ですね、という同情的なご意見が多かった。
夜は、また飲み会。だが、さすがに肝臓がばてていて、アルコールを受け付けない。11時半頃に解散してホテルへ。やっと、大浴場へ入る事ができた。その後、ここ数日歩き廻りすぎて両下肢の筋肉疲労が限界だったので、マッサージを呼ぶ。おばさんが来るだろうという予測がはずれて、結構ごっつい男のマッサージ師が現われる。力が強いせいで痛いが気もちよかった。明日はまた歩けますよ、とのこと。どうもどうも。

2000.11.10.(金)
岡山へきたからには、後楽園へ行かなくちゃ。朝からやや早めにホテルを出たつもりだったが、電車の時間を考えるとわずか30分で後楽園をみなくては。でも、やれば出来るもの。急ぎ足でほぼ全てを見学。
電車で金沢へ。
吉村達也著「新装版-創刊号殺人事件」(角川文庫)。以前にも読んだ事があるはずなのだが、吉村達也フリークなので、新装版と銘打って一部修正しているとあらば、つい買って読んでしまう。作家としてデビュー間もない頃の作品だけあって、最近の吉村作品とはかなり雰囲気が違う。この頃は、シドニー・シェルダンばりのストーリー展開の早い小説を書いていたんだなあ。
戻ってすぐに医科大へ。いくつかの雑務をこなす。
すぐさま帰宅し準備を整え、一家揃って車で上越の実家へ。さすがに、体力的にやや辛い。
親父との将棋はまた、4戦して0勝4負。最近どうも調子が悪い。

2000.11.11.(土)
実家の外来。同じ様な症状(咳、咽頭痛、発熱)の風邪がはやっている。気をつけよう。
夕方より車で金沢へ。夕食はピザ屋へ入り、クアトロ・フォルマッジ(4種類のチーズのピザ)。昨年、イタリアで食べた時、ものすごく美味しかったので。期待が大きすぎたのか、飛び抜けて美味しいというレベルではなかったが、しかし十分満足はできた。

2000.11.12.(日)
朝から少しだけ医科大病院へ行き、受け持ち患者さんだけ回診。
その間、ミハ達は美容室。今日はミハの七五三。写真館で写真撮影。その後、尾山神社へ。結構シーズンらしくて、知り合いにもあう。

2000.11.13.(月)
金沢発8:19(はくたか5)→10:52 越後湯沢 11:03(あさひ310)→12:20 東京。丸ノ内線で銀座へ、日比谷線で東銀座へ、徒歩で国立がんサンターへ。
町田康著「きれぎれ」(文芸春秋)。あのイヌ(というパンク?ロック・バンドが昔あったのです)の町田町蔵が、事もあろうに芥川賞を受賞してしまった、のが本作。かつては純文学の芥川賞、大衆文学の直木賞だったのがややその境界が不明瞭になってきているという。我慢して最後まで読んだけど、よーく解りません、私には。筒井康隆の断筆からの復帰後の一連の作品に匹敵する、訳分から無さ。ところどころ、ニヤリとさせる部分はあるんだけど。こういうのが純文学なのだろうか? 町田町蔵はパンク?ロック・シーンに戻ってきて欲しいし、筒井康隆にはドタバタSFシーンに戻ってきて欲しいと、思っているのは私だけであろうか?
第2回JCOG臨床試験セミナー。東大の大橋先生による「オンコロジストのための統計学」他。統計学は、はっきりいって辛い。こういう学問ばっかりやっている、ご苦労様の先生方もおいでるのだなあ。分かった事は、1)治療割り付けに伴うバイアスを除くためにはランダム化をする、2)αエラー、βエラーを小さくするためにはサンプル・サイズを大きくするする必要があるということ。
東京発18:24(あさひ333)→19:45 越後湯沢 19:59(はくたか18)→22:55 金沢。東京日帰りは疲れる〜。
彩胡ジュン著「白銀荘の殺人鬼」(カッパ・ノベルズ)。二人の著明推理作家による合作。叙述トリックというのは、まさかこんな…という意表をついたものでないと大成功とは言い難い。しかし、この作品の場合は始めから犯人が多重人格である事をばらしたうえで話が進んでいくので、最後に叙述トリックを使ったどんでんがえしがある事がみえみえで、どんなに意外でもビックリはしない。残念ながらあまり成功した叙述トリックとはいえないと思う。ところで、作者はだれなのだろうか。一人はA氏だと思うのだけれど。

2000.11.14.(火)
先週は学会でお休みしたため、2週間ぶりの浜野病院。1週抜けると、外来患者さんも一度に集中するため大変。
しかも先週からの強行軍がたたったのか、体調いまいち。だるいし、眠いし、喉も痛いし、風邪ひいたかなあ。
今日は当直なので、呼ばれない事を祈る。

2000.11.15.(水)
外来は5時までかかる。低血糖でふらふらである。
さっさと帰宅。
モモはハイハイが上手になり、一気につかまり立ちの練習。

2000.11.16.(木)
ボジョレー・ヌーボー解禁日。恒例により医局で試飲会。若い赤ワインなので、色々な種類を飲んでも違いはそんなに分からない。学生も大勢参加してくれたため、あっというまにワイン、ビール、食べ物は飲み食べ尽くされる。
そのまま当直で、いつのまにかソファーで眠っていて、夜中に病棟より電話があり気付く。また、風邪をこじらせそうである。注意!

2000.11.17.(金)
朝から2002年5月に当科で主催予定の、第8回国際シェーグレン症候群シンポジウムのホームページを作成。いつもながら、ページを作るのは割と簡単なのだが、アップロードしてWebに載せるのが困難。結局この日はうまくいかず。
金沢発13:15(はくたか11)→16:20 越後湯沢 16:34(あさひ324)→17:56 東京。
吉村達也著「ワンナイトミステリー『香港の魔宮』殺人事件」(角川文庫)。新刊ではないのだが、以前どうしても手に入らず、偶然駅前のキオスクで発見。ワンナイトミステリーであるからあっという間に読めてしまう。任意に決めたキャッシュカードの暗証番号をどうやって犯人が知りえたかという謎とき。
山の手線で恵比寿へ。弟と待ち合わせて飲みに。弟の行き着けの鉄板焼/お好み焼屋→居酒屋。渋谷のシャンピアンホテル青山で宿泊。

2000.11.18.(土)
朝から、渋谷のシオノギ製薬東京支店でJCOGリンパ腫グループ第二回班会議。例によってみっちりお勉強。
しかし、会議中妻よりTelあり(携帯はこんなとき便利)。「また、お父さんが調子悪いみたいよ〜。」
実家へTelすると、まず母「昨日くらいからどうも話がまとまらなくて、今日は物を落としたりカルテになかなか字が書けなかったり…、血糖が……」医学に関しては素人だから要領を得ないのは仕方無い。続いて父「…なんていうかな〜、どうも…、うまくまとまらないし…、ものを忘れるし……」ろれつも今一まわりづらそうで考えもまとまっていない。即、病院へ行ってCTかMRCTをとってもらうよう指示。しばらくして、再度Tel。母「慢性硬膜下血腫で手術が必要といわれた」
班会議を途中で切り上げて実家へ行こうかとも思ったが、結局予定の電車より早い電車はなかった。
東京発17:12(あさひ329)→18:28 越後湯沢 18:41(はくたか16)→19:30 直江津。タクシーで父の入院している病院へ。脳外科の先生にお話をきく(休日の遅い時間に恐縮です)。予想以上に大きな硬膜下血腫。「慢性だからここまで大きくなった、急性だったら死んでいたでしょう。一刻を争う訳ではないので、来週の月曜日に血腫除去術を行なう予定。2-3日でドレーンは抜去。1週間で抜糸の予定。」とのこと。
困った。本当に困った。1週間あるいはそれ以上、実家の診療をどうするか。
直江津 21:02(はくたか)→金沢。

2000.11.19.(日)
なんとか皆様に外来/病棟/教育/当直などの業務を代行していただいて、父が回復するまで実家の診療を代行することにする。申し送りを書いたりするために医科大へ。
昼は少しだけ買い物につきあう。
夕方、車で実家へ。直接、父の入院している病院へ。昨日より更に言葉が出づらい感じ。明日の手術で劇的に改善する事を期待するしかない。
某ラーメン屋さんでネギミソチャーシューを食べてから実家へ。
実家のMacをいじっていたら段々調子が悪くなり、WWWブラウザが使えなくなる。このプロバイダでのインターネットは度々調子が悪くなるが、田舎だからプロバイダもあまり選択肢がない。延々とMacと格闘していたら、母親に「いいかげんに早く寝なさいよ」と言われてしまった。そんな事を言われたのは何年ぶりだろうか。

2000.11.20.(月)
実家の代診 day1。平日はこんなもんであろう。風邪ひきばかり。
昼飯後、父親の様子を見にいく。更に言語障害が進み、意識状態もやや傾眠傾向(JCS 3〜10)。午後2時15分頃より手術(血腫除去術)開始。部屋へは4時15分頃戻ってきた。当初は30分くらいの手術と聞いていたのだが、まあ誤差範囲だろう。言語障害は既に明らかに改善している。麻酔がまだ多少効いているため意識はまだはっきり改善が分からないが、徐々に良くなるであろう。
夜は実家ではやることがない。一つだけ持ってきた文献を読むのも気合いが入らない。
実家にはまともに弦の張ってあるギターはクラシック用のアルトギターしかないので、いつもとは違うキーで少し遊ぶ。
衆院本会議、加藤派・山崎派土壇場の欠席で、内閣不信任案否決。一体どうなっているのか。でも、野党にとっては森内閣のままで総選挙まで行く方が良いのでしょうか? しかし、水をかけた松波議員もひどいが、そこで野党とモメているところを、ニヤニヤ見ていた森総理。日本人は追い詰められるとヘラヘラ/ニヤニヤ笑うという典型だろうか。
「森さんを守りたいのか、自民党を守りたいのか、この国を良くしたいのか、どれですか?」「この国を良くしたいのです。」……、本当ですか、野中さん。

2000.11.21.(火)
実家の代診 day2。雨が降っているので、ぼちぼち。
朝からどうも気持ちが悪い。また…飲みすぎたのだろうか。
昼に父を見にいくと、話はかなりまともにできるようになっている。早くも仕事の心配をあれこれしている。まだ、頭にドレーンが入っているのだから、もっとおとなしくしてなはれ。気持ちは分かるけど。
皆様より励ましメールを多数頂き、泣きたいような気分になる。
午後からは父の代わりに某デイケア施設へ。職員のインフルエンザ・ワクチン接種。
The Beatles「1」(TOSHIBA-EMI)。ビートルズのベスト・アルバム、全曲デジタル・リマスタリング。No1ヒット曲だけだから重要な曲でも入っていなかったりするが、こういうベストもありだろう。実家ではCDプレーヤーがない(動かない)ので、Mac内蔵のCDプレーヤーで聞いているが、これでも十分音が良くて驚く。
竹内まりあ「Souvenir」(Moon Records)。2000年7月に1回だけ行なわれた、何と18年ぶりのライブを収録したもの。皆知っている昔からの曲ばかりだが、写真で見る限りルックスも全く年をとったように見えないし、声も昔からのままで若々しい。どうなっているのだろうか。山下達郎もでしゃばりすぎないのが良い。久しぶりに聞く「元気をだして」に本当に元気づけられる。ここまできたら、早くニュー・アルバムを出してくれないだろうか。

2000.11.22.(水)
実家の代診 day3。今日も雨が降っているので、ぼちぼち。
午前中に父の頭に入っていたドレーンは無事抜去。会話はほとんどOK。文字を書いてみると7割くらいはすらすらと出るが、まだ少し問題有りと本人の談。四肢に麻痺なし。食事は半分以上可。排便がまだ出づらいとのこと。一応順調な回復。明日は休日なのでお見舞に行くという連絡が既に沢山有り、本人にしてみれば嬉しさ半分、恥ずかしさ半分といったところだろうか。
宮部みゆき著「長い長い殺人」(カッパ・ノベルズ)。財布が事件を語るという形式の連作短編で、全体として一つの長編になるという趣向。刑事、強請屋、少年、探偵、目撃者、死者、旧友、証人、部下、犯人のそれぞれの財布が、別々の視点から一つの事件を見るという発想。カバーにあったような驚天動地の結末とは思えないが、一つの作品としては楽しめた。
夕方5時まで仕事をしてから、車で金沢へ。医局へヤボ用。

2000.11.23.(木)
骨休み。ウルトラマン・ジム。ケロリンピック。Guessのジーンズ。
宮部みゆき著「今夜は眠れない」(中公文庫)。宮部さん流のジュブナイル・ノベルだろうか。広義にはミステリーに入れる事も可能とは思うが、少なくとも殺しは出てこない。最後には壊れかけた家族の絆が取り戻されて、爽やかな感動を呼び起こす秀作。

2000.11.24.(金)
朝5時に起きて、車で上越へ。
実家の代診、中一日空いて day5。天気が良いせいで結構繁盛。風邪ひき、インフルエンザ・ワクチン、健康診断。午後からまた特養老ホーム/デイケア施設のインフルエンザ・ワクチン接種。
父はようやく抜糸してもらい、あとは頭にホッチキスの針が3つ残すのみとなった。元気になって、来週早々には退院すると勝手に決めている。現金なものだ。
午後5時まで仕事をして、車で金沢へ。ミハが風邪気味。

2000.11.25.(土)
朝5時に起きて、一家で車で上越へ。
実家の代診 day6。午前中のみ仕事をして、昼から父の見舞い。ミハは少し悪い子!だったので、罰として絵日記をDutyとして課した。
車で金沢へ。金沢⇔上越の往復も、北陸自動車道路が良くなったおかげで随分楽である。片道2時間かからず、CD2枚聞き終わらないうちに着く。

2000.11.26.(日)
ミハのカワイ・ピアノのミニ・コンサート。少々とちったものの愛嬌でカバー。
一応よそ行きの格好をしていたので、着替えてから海賊公園。ミハはドングリ拾いに夢中。沢山拾って家に持っていかれても困るのだけど。
ミハの風邪は治ったが、今度はモモが風邪気味。

2000.11.27.(月)
朝5時に起きて、車で上越へ。朝から大雨、また洪水にならない事を祈る。
実家の代診 day8。雨が降っているのに、午前中は休みなしに患者がくる。
父@hospital .de.ne.com の頭のホッチキスの針もとれ、午後よりCT。とりあえず改善しており退院可と聞いたとたん退院、父@home。実はまだ反対側の前頭頂部にも血腫が写っており、これは今のところ症状もないため経過観察するしかないので、完全に無罪放免とはいかない。しかし自分が同じ立場であったら、やはりさっさと退院してしまい仕事に復帰するであろうから、さすが私の父親と思っておくことにする。とりあえず、退院おめでとう。すぐに仕事に100%復帰とはいかないであろうし、2-3日はまだ私が代診し、徐々にリハビリしてもらう。
アメリカ大統領はブッシュさんに決まったのか? いいかげんに決めんかい。決まらないのなら、いっそのことフロリダ州だけでも再投票したらどうだろうか。
オリバー・ストーン監督「JFK」Director's Cut(ワーナー・ホーム・ビデオ)。JFケネディ暗殺事件の国家的暗某を暴く検事役としてケビン・コスナーが熱演。しかし、何だか難しくて良く分からんというのが本音。最後の法廷での演説は特に熱演だと思うが、冗長すぎ。Director's Cutで17分の劇場未公開シーンを追加した結果とも考えられる。映画ビデオでのDirector's Cutというのも考えもので、無くても良かったシーンが追加されて更に冗長なバージョンに陥る危険性がある。見直す元気もないしなあ。
父の頭のリハビリのため将棋。2:1で私の勝ち。父とは実力が伯仲しているためイーブンの事が多いのだが、病み上がりというハンデを考えると素直には喜べない。

2000.11.28.(火)
朝からやけに寒い。と思っていたら、みぞれ混じりの天気になってきた。
実家の代診 day9。相変わらず風邪ひきが多い。実家では、レントゲン一つでも自分で撮影しなければならず、大学病院にいるときとは別の煩わしさもある。午後からはまた、特養老ホーム/デイケア施設の診療と職員のワクチン接種。
父はほぼ以前と変わらぬADLに復帰した。将棋は3:0で私の勝ち。病み上がりだからといって容赦はしない、勝負の世界は厳しいのだ。
父はお茶、私はウイスキーお湯割りで、長々と遅い時間までたわいも無い事を語り明かす。

2000.11.29.(水)
寒いなあと思ったら、北海道は大雪らしい。新潟県でもスキー場などでは雪が降った。遂に冬の訪れ。正真正銘あと1ヶ月で世紀末も終わりだ。
実家の代診 day10。しかしながら、今日は診療をとりあえず父にまかせてみて、私は裏方。大丈夫そうなので、午後より金沢へ戻る。
栗本薫著「町」(角川ホラー文庫)。残念ながら主人公の心理に全く感情移入できる部分が無く、途中からは少し怖い場面もあるのだが、盛り上がれずに終わる。

2000.11.30.(木)
久しぶりに医科大へ復帰。留守中いろいろあったようだ。皆様、ご苦労さまでした。
延び延びになっていた、第8回国際シェーグレン症候群シンポジウムのホームページのアップロード。
久しぶりに担当患者さんたちに再会。長らく勝手に留守をしました。
今日は、ミハの誕生日。これからも健やかに育ってください。
モモの風邪が良くなったと思ったら、今度は黒猫リッツがクシャミをして、だるそうで、エサをあまり食べていない。今回の風邪、私→妻→ミハ→モモ→リッツと伝染していったのだろうか。人と猫で、種のバリアーがあるはずなのだが。