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カリキュラム

6年一貫統合型カリキュラム

 本学の「6年一貫統合型カリキュラム」が規準とする「医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度改訂版)」は、世界医学教育連盟(WFME)が示す教育の質保証のための国際基準(Global Standard)を考慮した形で構成されている。
 従来の講座主体の縦割りの教育形態を廃し、教養教育をはじめ必要な分野の内容を一貫教育の中に取り入れる統合型として、臓器別統合型のユニット等が組まれている。各ユニットでは基礎医学科目や臨床医学科目の知識を統合して学び、卒業時の最終到達目標を達成できるように、学年ごとに学修成果を評価する教育法(Outcome-Based Education)を取り入れている。
 学習は、暗記中心の勉学方法に頼らず、それぞれ知識(Cognitive Domain:認知領域)、態度(Affective Domain:情意領域)、技術(Psychomotor Domain:精神運動領域)の3つに焦点を置き、医師への資質を高めるよう配慮されている。
 問題点を自ら見つけて理論づけていく問題基盤型の勉学態度を育成する方法[チーム基盤型学習(TBL: Team-Based Learning)、講義、実習]を積極的に採用している。第5・6学年の臨床実習はスチューデント・ドクターとしての自覚のもとに行う診療参加型臨床実習(CCS)とし、全国統一の共用試験により、第5学年への進級にバリアを設けている。スチューデント・ドクターは医療チームの一員として行動し、厳しい条件が付されるものの、患者に対してある程度の医行為を行い、人間形成を重視しつつ症例経験を積み、医師に求められる基本的知識と態度、そして臨床能力を習得していく。実際の体験は学習の重要な動機づけとなり、「臨床スキル」を適切に身に付け習熟していくことにつながる。早期臨床体験実習の導入、クリニカル・シミュレーション・センター(CSC: Clinical Simulation Center)におけるシミュレータを用いた各種臨床スキルの体得・習熟、模擬患者を用いた臨床面接訓練等により学習を進める。


医学教育モデル・コア・カリキュラム

 カリキュラムは教育を進めるにあたっての「教育活動計画書」であり、教育の主幹となるもので、1.目標(Objective)、2.方策(Learning Strategy)、3.評価(Evaluation)の3要素を備えていなければならない。
 従来の医学教育は、各講座単位の縦割りの形態から脱却することができなかったが、1996年、「21世紀医学・医療懇談会」が文部大臣の諮問を受けて立ち上げられ、第1次報告において、人間中心の医療を推進することが急務であり、講座制の枠にとらわれない医学教育カリキュラムの編成が最重要課題であるとの緊急提言が行われた。そして1999年には「第4次報告:21世紀に向けた医師・歯科医師の育成体制の在り方について」の詳細な分析・提言があり、医学における教育プログラム開発委員会によって「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の作成が開始された。2001年3月、「医学教育モデル・コア・カリキュラム第1版」が発表され、2011年3月と2017年3月の2回改訂がなされている。本学の6年一貫統合型カリキュラムもそれらを反映して改訂を行い実施している。

  • 令和3年度第1学年カリキュラムツリー 令和3年度第2,3学年カリキュラムツリー 令和3年度第4〜6学年カリキュラムツリー

準備教育と臨床実習前医学教育

生化学実習
生化学実習

 医学の専門教育を始めるにあたって、低学年では、基礎科学としての生物学・物理学・化学等の基本知識の確認をしながら、医学教育の入門に必要な準備教育が行われる。また、医学は、Medical Science と呼ばれるように、巨大な応用科学の積み上げにより築かれている。その内容は、解剖学・生理学・生化学等の基礎医学科目、病理学・薬理学・微生物学・医動物学・免疫学等の臨床基礎医学科目、また衛生学・公衆衛生学・法医学といった人間社会を対象とする重要な局面を持つ社会医学科目、そして臨床医学の多くの各専門領域の科目等に細分化される。
 講座間の縦割りの壁とその閉鎖性のため、科目相互間の有機的連携が不十分であったことから、医学教育モデル・コア・カリキュラムを基盤とした統合カリキュラムは、その弊害をなくす目的で導入された。これによって学習者は科目間の横の関係を把握しつつ学習を進めることが可能となっているが、ここでは教員側の科目間の連携が重要であり、その良否は結果を大きく左右するので、教員の教育能力開発(FD: Faculty Development)を定期的に開催し、教育効果の向上に努めている。


「共用試験」:スチューデント・ドクターへの資格試験

スチューデント・ドクターとして実際の手術に参加する
スチューデント・ドクターとして
実際の手術に参加する

 医学部学士課程の第5・6学年は臨床実習のための2年間であり、診療参加型臨床実習(CCS)をとおして医師としての基盤を形成する。本来、医籍登録前の医学生が患者に医行為を行うことは認められていないが、平成26年度から全国医学部長病院長会議が「共用試験」合格者をスチューデント・ドクターとして認定することとなり、「共用試験」に合格することで医学生は実習の範囲内で医行為を行える認証(違法性阻却事由)を与えられることとなった。
 「共用試験」では、知識の総合的理解度を評価するために、コンピュータを用いて問題の難易度を一定にコントロールした客観試験(CBT: Computer Based Testing)と、態度・基本的臨床技能を評価する客観的臨床能力試験(OSCE: Objective Structured Clinical Examination)が行われる。本学では、第5学年に進級してCCSを行うことの可否を検討する重要な資料とされる。
 また、第5・6学年のCCS終了後に本学独自のAdvanced OSCEを実施し、CCSで身に付けた知識・技能を評価している。2020年からは全国の医学部で臨床実習後OSCE(Post-CC OSCE: Post-Clinical Clerkship OSCE)が実施される予定であり、今年は本学もトライアルを実施する予定である。


医師としての人間形成と人格の陶冶、プロフェッショナリズムの育成

 医師には、専門の知識・技術とともに、総合的な思考力と倫理観、良識に基づく適正な判断力を持った人格と素養の形成が求められる。医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、医師として求められる基本的な資質・能力として「プロフェッショナリズム」(医の倫理と生命倫理、患者中心の視点、医師としての責務と裁量権)、「医学知識と問題対応能力」、「診療技能と患者ケア」、「コミュニケーション能力」、「チーム医療の実践」、「医療の質と安全の管理」、「社会における医療の実践」、「科学的探究」、「生涯にわたって共に学ぶ姿勢」といった領域での確固とした思考力、判断力、知識や態度の修得が求められている。
 これらは、医学教育の現場はもとより、社会人として重要なものであり、建学の精神にある倫理に徹した良医の育成のため、本学では複数学年にわたる倫理教育にも注力している。


一般教育機構

 良き医師・看護師を目指す学びの入り口として、初年次教育の果たす役割はとみにその重要性を増している。そこで平成20年4月、医学部および看護学部の初年次・一般教育を円滑に実施するための組織として、一般教育機構が設置された。自然科学領域に生物学、物理学、化学、数学の各教室が、また人間科学領域に人文科学、英語、ドイツ語、体育学の各教室が配置され、それぞれの分野の教育と研究活動を活発に行うとともに、協同して初年次教育にあたっている。
 医学部の基礎教育科目群で、「大学基礎セミナー」(科学的思考力の育成)、「アカデミック ・スキルズ」(資料収集、議論、レポート作成・発表方法の修得)、「クリティカル・シンキング」(文章の論理構造の把握、批判的思考力・学術文献読解の基礎力育成)の3科目を初年次教育の柱とし、さらに豊かな人間性を育むための選択科目(「総合人間科学」)、ドイツ語、体育等を開講している。専門準備科目群においては、理科科目、倫理学、統計学、医学英語等の教育を実施し、専門での学びの土台作りを行っている。
 看護学部では、豊かな感性と教養、看護学の基礎を身に付けることを目的に、人間学領域で体育、英語・ドイツ語、倫理学、統計学、医科学領域で理科科目等を開講している。
 これらを通じて、広い視野に立ち総合的に考え行動する能力の育成、受動的学習から能動的・主体的学習への転換、および、生涯学習の基礎作り等を目指した教育を提供している。

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