04/06/08
■ 再び, 紫尿パックについて (対応方法)
【質問】
 今年新規採用で病院で勤務する1年目の看護師です。

 先日蓄尿当番にあたり尿回収をしていたところ, ある患者様の蓄尿パックとルートが薄い紫に変色してました。そこで, ネットで”紫尿パック”というキー・ワードで検索したところ, 「臨床微生物迅速診断研究会」さんのホームページに行き当たりました。いろいろと図書館やネットで調べてみて, 原因はなんとなくですが, 飲水量の低下, 細菌感染や便秘などによるものと分かったのですが, どの書籍やネットにも, 紫色蓄尿パッグ症候群についての具体的な予防策や対処法などは記載されておらず, 少しとまどっています。今後の自分の勉強や経験のためにも, 紫色蓄尿パック症候群について学びたくメールさせていただきました。

02/08/14 ■ 尿が紫色に着色する・・・何故でしょう???”という記事にも記載されていますが[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/nyou_murasaki.html], その患者様の場合は薄いピンクから次第に紫に変色され, 白い浮遊物も観察されています。ちなみに, 便の排泄状況としては便秘傾向で, アローゼンとプルセニドにより排便コントロールし, 一日にオムツ内に便失禁ではありますが一回程度便の排泄があります。便失禁の状態はバルーンの挿入部周囲だけでなく, 寝衣・シーツなどにも汚染があり, その都度と一日一回, 微温湯と石ケン清拭による陰部の洗浄をおこなっています。飲水の状況は, 日勤帯で食事の他にコップ3〜4杯程度飲まれています。またあるホームページでは, 紫色蓄尿パック症候群には特別な処置は行わず経過観察でよいとのことですが, それが本当なのか??? 患者様も気にされて苦痛に感じられているので, 看護でできる範囲内で早めに改善させてあげたいので, ご回答のほどをよろしくお願いします。

【回答】
 紫色蓄尿パッグ症候群についての具体的な予防策や対処法の記載はありません。原因となる便秘や尿路感染症が起こらない様に,きめ細かな介護するうえでの工夫や心掛けによってある程度避けることが可能です。

 開放性の尿カテーテルは4日以上の装着で100%感染を起こします。チューブ内に白い浮遊物が認められていることから,尿路感染が考えられますので,新鮮尿を採取して尿路感染の有無を確認して下さい。尿路感染防止策・尿道カテーテル管理について“国立大学医学部附属病院感染対策協議会病院感染対策ガイドライン”(第2版) 平成15年8月を参考にしてはいかがでしょうか。

 患者さんへの対応は,このような現象が起こるということや,尿路感染をおこしていないか検査をすることについて説明してあげてはよいかと思います。

(琉球大学・中村 広)

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