02/08/09
■ 医療従事者の患者さんからの感染 (業務感染) の頻度
【質問】
 はじめまして。私は大学に通う看護学科の学生です。現在私は, 卒業研究に向けて『職業感染の実態について』の研究に取り組んでいきたいと考えています。患者さんともっとも身近に関わり, 直接的なケアの多い看護師は, 他の医療スタッフよりも患者さんからの感染を受けるリスクが高いのではないかと感じ, その実態について追求してみたいと考えました。看護師および他の医療スタッフが, どのような感染症にどれほど感染の暴露を受けているのか大学の図書館などで調べた結果, 若干の個別病院のデータやアメリカなどの統計データしかなく, また針刺し事故などに限局しているデータばかりしかありませんでした。

 そこで質問なのですが, 日本の医療従事者において患者さんから感染したという職業感染の実態として公的な統計的データはどこかに存在するのでしょうか? またあるとすれば, どこからその情報は収集できるのでしょうか? ぜひ, お伺いしたいと思いました。

【回答】
 大変, 難しい質問です。質問されています“公的な統計的データ”となると, いわゆる労災認定ということになりますが, 以下のような組織がそのデータを保有しているものと推測しています。

http://www.nurse.or.jp/(日本看護協会)
http://ha3.seikyou.ne.jp/home/Zen.Iro/(日本医療労働者組合連合会)

 学会誌としては, 既にこの「質問箱」のコーナーで照会した[升田ら: 感染症学雑誌 65: 209〜215, 1991]を参照されると良い思います。1979〜1988年という約20年前の調査結果ですが, 306施設, 9,352名を対象とした広範囲な調査であることから, その信憑性は高いと考えます。

http://www.jarmam.gr.jp/situmon/anzen_cab.html

(琉球大学・山根誠久)

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