■ “ラクリス菌”はグラム陽性, 陰性??? | |
【質問】
初めてメールします。当社は健康茶と健康食品の製造会社です。茶葉に含まれている菌や使用している菌を確認できるかどうか検討しています。グラム染色も行っているのですが, なかなか判定がむつかしく困っています。“ラクリス菌はグラム陽性でしょうか, グラム陰性でしょうか”。お教え下さい。染色写真をお送りします。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 ラクリス菌は1949年, 中山大樹博士が緑麦芽から発見したLactobacillus brevisの1分離株の通俗名として呼ばれており, 胃を通過し, 腸で働く乳酸菌として多くの健康食品に利用されているようです。この菌を亜種名Lactobacillus brevis subsp. coagulansと表現している案内文も見受けられますが, 正式に認められた亜種であるかどうかは定かではありません。種名Lactobacillus brevisは, グラム陽性, 非運動性, 微好気または通性嫌気性の桿菌であり, 植物, ミルクやチーズなどの乳製品, 牛の肥料, 動物の腸管内など, 広範囲に分布することが知られています。 この写真からも“グラム陽性桿菌”であることが伺えますが, 細胞が密集していることから観察しにくく,
単細胞の形態分析ができません。ですから薄めの塗抹標本を作って再染色してみてください。また,
培養条件 (培地の種類, 培養温度, 培養環境, 培養時間など) や染色方法 (使用した試薬の種類,
染色時間, 作業手順など) によっては正しく染まらないこともありますので, いくつかの方法を試してみてください。私達はグラム染色B&M法
(この質問コーナーを参照) を推奨しております[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/b%26m.html]。
(大手前病院・山中喜代治)
【質問者からのお礼】
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