05/03/14
■ 細菌検査の検出限界について
【質問】
(1) 細菌検査を行い, 例えば標準寒天平板培養で検査をし, その結果を表す際に「<30」とか, あるいは「0×10」とかの表現があります。この場合「<30」というのは検出限界という考えの下に表現していると思いますが, この“検出限界”とはどういう意味でしょうか???

(2) “検出限界”としてよく, 大腸菌やサルモネラとかの結果を表す際に「<10」という表現がありますが, これも“検出限界”と考えてよいのでしょうか???

【回答】
 まず, この研究会のホームページの質問箱に既に掲載されています下記の回答を参照してください。
■ 陰性の定義とは・・・[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/insei_teigi.html
“検出限界”という言葉はいろいろな意味で使われます。好気培養では偏性嫌気性菌は検出できませんから, 偏性嫌気性菌は好気培養での検出限界を越えています。質問の内容は菌濃度に関わるものですから, その意味に限定して回答しますと・・・

 平板培地に1個のコロニーが観察された時を想定して, 元々の原材料中での菌濃度を計算してください。その菌濃度が検出限界となります。検出限界以上の菌濃度では1個以上のコロニーが観察されますし, 検出限界未満の菌濃度では平板培地にひとつもコロニーは観察されません。液体培地でも同じで, 濁った試験管培地には1つの菌細胞が存在したと仮定して, 元々の原材料中の菌濃度を計算し, 検出限界とします。大腸菌でも, サルモネラでも, 菌種を問わず, 同じ考え方です。

(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
 ありがとうございました。

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