■ PCR検査室の設計条件について | |
【質問】
初めてご質問させていただきます。私はクリーンルーム,バイオハザード実験室を設計,施工する会社に勤務する者です。このホームページの趣旨から少し逸れるかも知れませんが,お教えいただければ幸いです。 先日客先より,“保健所でPCR検査を実施するための実験室”を提案するよう依頼されましたが,弊社ではこのようなご依頼を頂いたことがなく,また社内にも微生物学や遺伝学に詳しい者がおらず, 返答しかねております。 そこで,次の質問です。 (1) PCR法を用いた実験には,どのくらいの空気清浄度が必要なのでしょうか。
書籍なども, 実験方法や報告について記載したものがほとんどですが,貴ホームページでPCRを行う部屋について触れられているのを見つけ,[http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/kensasitu-biohazard.html]どうか知恵をお借りできないかと思い,メールにてご質問致した次第です。立場上, このようにご質問申し上げるのは恐縮かとは存じますが,よろしくお願い致します。 【回答】
PCRの施設では通常の検査室および実験室の環境で十分です。PCRではその特殊な高感度性により, 実験工程により実験場所を3つのエリアに限定します。“エリア1”は通常, 試薬類を扱い, 陽圧のクリーンベンチ内で作業を実施します。“エリア2”では, 生物試料からのDNAあるいはRNA抽出を行いますので, “安全キャビネット”を用います。“エリア3”ではPCRを実施し, 増幅されたDNAの検出を実施しますが, 通常の実験室であれば特別な環境は不要です。一般に, エリア1と2を同室とし, 異常な増幅産物が検査試料に混入しないようにするために, エリア3を別室としています。両方の部屋はパスボックスなどで連結すると便利です。 (2) または,バイオハザード対策にする必要があるのでしょうか。
(3) 室の条件は細菌・ウイルスの種によって異なってくるのでしょうか。
(4) PCR法を用いた実験を行う部屋について,指針や条例があるのでしょうか。
(ロシュダイアグノスティックス・佐々木 政人・林 邦彦) 【質問者からのお礼】
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