10/07/05
■ オートクレーブ前の乾熱滅菌
【質問】
 初歩的な質問で申し訳ありません。食品関連の培養と微生物検査を担当しているものです。

 培地や検査用希釈液調製の際に, 容器類, フラスコ (シリコ栓でふた), 試験管(紙栓でふた) の状態で一度, 乾熱滅菌にかけてから用いるようにと教わりました。その後, 培地や希釈液をいれてからオートクレーブにかけるので, 乾熱滅菌は不要と思われるのですが, ご見解をお聞かせください。よろしくお願いもうしあげます。

【回答】
“滅菌する”ことを目的とした作業で, 予め乾熱滅菌してからオートクレーブにかける必要はまったくありません。乾燥した状態でオートクレーブする必要がないことは, 既にこの「質問箱」で複数回, 回答しています[http://www.jarmam.gr.jp/situmon3/auto-clave-kanso.html]。わざわざ乾熱 (滅菌) する理由を直ぐには思いつきませんが, 例えば付着しているゴミが乾熱 (160℃から180℃) で燃え尽きてしまう, 逆に汚れた部分が焦げて見つけ易くなるといった目的でしょうか。

(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
 ご回答ありがとうございました。古くから慣習として行われている作業にも無駄があるようです。原理をよく考えて作業したいと思います。

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