10/03/09
■ 腸炎ビブリオの最適な保存条件
【質問】
 いつも参考にさせていただいております。私は食品の微生物検査を行っているのですが, 菌株の保存方法についてお聞きしたいことがあります。

 関東化学で購入した腸炎ビブリオの標準菌株を保管しているのですが使用期限が迫っており, 菌株を起こして継代による保存をしたいと思っております。以前マイクロバンクで−80℃に保存したところ1年経たないうちに死滅してしまったので, 今後はカジトン培地を使用して継代したいと考えております。冷蔵では死滅しやすいので室温で保存すると思うのですが, 何ヶ月ごとに継代するのがよいでしょうか。

 また, 腸炎ビブリオの最適な保存条件や注意点等があればお教えください。以上, よろしくお願いいたします。

【回答】
 腸炎ビブリオ菌は極めて死滅しやすい菌として知られています。近年, VBNCビブリオ菌の存在に関する多数の研究報告があります。VBNC (viable but non-culturable), すなわち“生きているが培養できない状態”ということです。回答者はビブリオ菌を用いて実験する際は菌株を冷蔵保存せず, 室温保管で一週間に一回植え継ぎをします。しかし, 菌株を長期保存するには, 凍結乾燥アンプルを作製して保存します。質問の意図がビブリオ菌を長期保存することならば, 凍結乾燥保存を勧めます。

 また, ビブリオの保存培地に関する回答は既にこの「質問箱」に回答がありますので, 下記を参考してください。

http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/choen-bibrio.html

(テクノスルガ・ラボ 立里 臨)


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