■ 健康診断でのHBs抗体 | |
【質問】
こんにちは。私は病院で職員健診を管理している検査技師です。 B型肝炎ワクチンについて調べていたところで, こちらのQ&Aがとても参考になりました。現在当院では, 看護師健診を年2回しています。同時にHBs抗体とHCV抗体も調べています。ほとんどの看護師がHBs抗体陽性です。陽性なのに, 年2回, いつも調べるというのはどうなのでしょうか??? ちなみに検査法はイムノクロマトです。HBs抗体 (精密) は, 検査センター依頼項目 (値段も高い!) なので, 年2回は現実的ではありません。感染予防を考えると, カットオフ値のわからないイムノクロマトではダメですか??? HBs抗体は, どの方法で, どの程度の間隔で調べるのがいいのですか??? よきアドバイスをお願いします。 【回答】
ワクチン接種を受けて, その後毎年, 年2回HBs抗体の検査を実施するのは過剰な医療サービスだと判断されます。ワクチンの効果は, 確実にHBs抗体を獲得した場合, 5年, 10年という単位で継続しますので, 年2回の検査は過剰と判断されるのです。HBs抗体検査を実施するとすれば, (1) ワクチン接種後の早い時期, 確実に抗体を獲得したこと (seroconversion) の確認, (2) その後, お望みであれば, 数年毎に有効な抗体濃度 (10mIU/ml以上) を保持していることを確認します。 検査方法はイムノクロマトでも充分でしょう。確かにイムノクロマトは感度は悪いですが(検出限界は[http://www.jarmam.gr.jp/situmon3/hbs-koutaika.html]のA社を参照。ほぼ30 mIU/ml程度が検出限界と判断できます), この方法で「陽性」であれば充分過ぎる (10 mIU/mlを大きく超える) 程のHBs抗体をもつことを意味しますので, まずは安心できる筈です。 (琉球大学・山根 誠久) 【質問者からのお礼】
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