10/01/03, 02/06
■ 新型インフルエンザ対策に最適のエタノール濃度
【質問】
 友人と就園前の親子を対象とした子育てサロンを時々開催しています。

 薬局へ行くといろいろな濃度のエタノールがインフルエンザ対策用として売られています。「消毒用アルコールの濃度について」への回答で,「 100%のエタノールにはほとんど殺菌・消毒力がありません。70%エタノールがもっとも強い殺菌・消毒力をもつと言われてきましたが, 現在では60〜95%の濃度範囲であればその殺菌・消毒力にはほとんど差がないと言われています。またウイルス, 特に脂肪で構成されるエンベロープをもつウイルスにアルコールは有効ですが, この場合には脂肪に反応してこれを破壊することから, 100%あるいはそれに近い濃度がもっとも消毒効果が高いと言われています[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/alcohol_noudo2.html]」とありました。消毒用アルコールとして厚労省が指定している濃度が消毒の効果がもっともあるから, その濃度に指定されているという人もおり, 実際に購入するのに混乱しています。以前, A型インフルエンザは, 脂肪で構成されるエンベロープをもつウイルスであると本で読んだことがあります。新型インフルエンザなどのA型インフルエンザ対策に効果があり, 使いやすい最適なエタノール濃度を教えてください。

【回答】
 インフルエンザウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムやエタノールが有効ですガ, 手指消毒にはもっぱらエタノール製剤が用いられます。その効果は60〜95%の濃度範囲であれば“差はない”とされ, 医療用にも一般用にもこの濃度のエタノールにその他の消毒薬や手荒れ防止の成分を混じた製剤が販売されています。その中からどれを選んでもよいと思います。

(虎の門病院・米山 彰子)
【質問者からのお礼】
 お忙しい中, ご回答をいただきありがとうございました。迷いなく購入することができました。また, 子育てサロンの中でママたちにもお伝えし, 大変喜ばれました。このような質問箱を設けていただいていることに深く感謝しています。

戻る