09/04/02, 06
■ X-MG培地での判定方法
【質問】
 「質問箱」をよく参考にさせていただいております。回答いただけたらと思いメールしました。私は現在, 惣菜工場で品質管理をさせていただいております。大腸菌群および大腸菌の判定について困っています。検査をする際, 酵素基質培地「XM-G」を使用しております。

(1) 先日検査をした際, 24時間培養後のプレートを確認したら, 白色のコロニーが複数出ていました。おかしいと思い, 培養器にそのまま翌日まで入れておくと, 白色コロニーが青色に変化しておりました。こういった場合は, 初日の培養段階の判定通り, 大腸菌は「陰性」と判断すべきか, それとも48時間培養後の青色コロニーで判定すべきか教えて下さい。

(2) この他にも, 24時間培養後, 大腸菌群のコロニーが4個出ており, 48時間後まで培養を続けたら, 6個に増えていたことがあります。この場合の判定方法を教えて下さい。

(3) また, もし48時間培養して検出されたものが大腸菌群・大腸菌でない場合, どのような細菌が考えられるでしょうか???

よろしくお願いいたします。

【回答】
(1)「白色のコロニーが複数出ていました。おかしいと思い」という部分が, 回答者には理解できません。X-MG培地では, ガラクトシダーゼとグルクロニダーゼを検出する試薬が含まれています。ですから, 例えばPseudomonas 属のようなグラム陰性細菌は増殖しますが, 色はつきません。ですから, 特に「おかしい」ということはありません。また, 培養器にそのまま翌日まで入れておくと白色コロニーが青色に変化したということですが, こういった場合は初日の培養段階の判定通り, 大腸菌は「陰性」と判断してください。

(2) 24時間培養後, 大腸菌群のコロニーが4個出て, 48時間後に6個に増えていた場合には, 24時間後の結果を採用してください。

(3) 48時間培養して検出されたものが大腸菌群・大腸菌でない場合, その細菌がX-MG培地中の抑制物質で抑制されている細菌 (Lactobacilllus 属) やX-MG培地の栄養成分では発育が不十分な細菌(Aeromonas属)が考えられます。

最後に, X-MG培地は大腸菌群用に開発された培地で, 大腸菌群は本培地での発育が良いため, 24時間培養で大腸菌群や大腸菌は明瞭なコロニーを形成します。

http://www.jarmam.gr.jp/situmon3/48jikan-baiyo.html

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 貴重なご意見ありがとうございます。弊社でもコンタミを疑っておりました。考え方があっていると確認できて良かったです。これを踏まえて再度試験を行いたいと思います。別の機会があった際, また貴重なご意見をいただけたら幸いです。貴重な時間を割いていただきまことにありがとうございました。


戻る