臨床的にはファンコニー症候群と呼ばれる腎尿細管障害と骨軟化症、貧血などを合併した疾患であり、主として更年期を過ぎた、妊娠回数の多い、居住歴がほぼ30年程度の農村婦人に好発します。

腎尿細管障害:尿中にβ2ーミクログロブリンなどの低分子蛋白尿、糖尿、蛋白尿、アミノ酸尿が出るのが特徴であり、%TRPや血清Pの低下や血清ALPの上昇、代謝性アシドーシスなども認められ、高度な障害例では血清クレアチニンの上昇などで表わされる糸球体機能の障害も認められます。

病理学的には萎縮腎が特徴的で、図3に示した様に通常120g前後ある腎重量が60g前後(非特異的炎症や動脈硬化合併例では30g台)となります。

また、光学顕微鏡下では図4に示した様な尿細管症が認められます。


図3 イタイイタイ病の萎縮腎(肉眼所見)


図4 イタイイタイ病患者腎の光学顕微鏡像



   

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