予 後:骨障害は近年の薬物治療の発達に伴い、ビタミンD2剤の大量投与や活性型ビタミンD3による治療が概ね奏功するため、増悪を繰り返す症例はあるものの長期的には軽快傾向です。しかし、腎障害については進行性で(図8)、腎不全に至り透析に導入される症例もあり、それに伴って進む高度な貧血にも悩まされます。
生命予後は同じ地域住民と比較して不良であり、腎障害が高度な症例ほど悪いことが明らかにされています。(図9)
図8 血清クレアチニンを指標とした腎不全の進展
図9 イタイイタイ病患者、要観察者の生存率の対照者との比較