研究

研究テーマ一覧

1.嗅覚障害の診断と治療

嗅神経再生と分子イメージング

研究スタッフ:
三輪教授, 志賀准教授

研究協力機関:
本学放射線診断治療学, 金沢大学附属病院(核医学科, アイソトープ部)

研究内容:
現状では嗅覚障害の治療効果判定は、T&Tオルファクトメータや静脈性嗅覚検査など、患者の自発的反応に依存した検査が主なため、嗅覚障害の詳細な病態診断は困難です。これまで我々は、タリウム-201(201Tl)をトレーサーとする嗅神経イメージング技術の開発を進めてきました。201Tl点鼻の安全性を検証後、倫理委員会の承認を得て健常者を対象とした臨床試験に初めて成功しました (Shiga et al. Molecular Imaging & Biology, 2011)。生体内プロセスを可視化する分子イメージングと嗅神経との新たな接点として201Tlが重要性を帯びてきております。さらに嗅覚障害者を対象とした臨床試験の結果を近年発表しております(Shiga et al. PLoS ONE, 2013)。我々の開発したオルファクトシンチグラフィが、嗅神経再生の新規治療法の効果判定に将来応用されることが期待されます。

嗅覚障害の新規治療薬開発

研究スタッフ:
三輪教授, 志賀准教授 , 山田助教 , 中村院生, 石倉院生, 熊井院生

研究協力機関:
金沢医科大学 解剖学Ⅰ,同総合医学研究所

研究内容:
感冒後嗅覚障害などで、当帰芍薬散の治療効果が徐々に臨床で認められております。我々は漢方薬の嗅神経再生への促進効果の有無を明らかとするため、当帰芍薬散などの漢方薬を経口投与したマウスの嗅球における神経成長因子(NGF; nerve growth factor)の発現や、201Tl経鼻投与により嗅神経切断マウスへの漢方薬投与の効果を定量的に評価しております。さらにその他の新薬の効果も動物実験により評価しています。将来、基礎実験で薬効が確認された薬剤をベースとした臨床試験への応用発展が期待されます。

嗅覚障害のスクリーニング検査法

研究スタッフ:
三輪教授, 志賀准教授, 山本助教

研究協力機関:
産業技術総合研究所,

研究内容:
これまで人間ドック受診者を対象とした調査で、スティック型嗅覚検査法(OSIT-J)は、外来診療における嗅覚障害者の診断に有用であるばかりでなく、OSIT-Jの3臭(ばら,カレー,蒸れた靴下)を用いた、人間ドック受診者における嗅覚障害スクリーニングでの有用性も明らかとしております。またこれら3臭のうち、特にカレー1臭に対して不正解であった受診者に対しては、3臭スクリーニング後、残る9臭による検査とともに基準嗅力検査やアリナミンテストによる精査が必要であることも発表してきました。今後の研究の発展のためには、最近産業技術総合研究所とWakoで開発されたカード式嗅覚識別検査(Open Essence)の活用が、更なる簡便な嗅覚障害スクリーニング法の開発に有用であると思われ、カード式検査法を用いた種々の臨床試験を進めております。またアンケート法など多施設共同研究の成果も上がっております。

高齢者の嗅覚味覚障害

研究スタッフ:
三輪教授, 志賀准教授, 山本助教 他

研究内容:
内灘町在住の高齢者を対象に嗅覚味覚検査の他、身体測定などを行なって、加齢が感覚器と食生活に及ぼす影響について調査しております。

2.花粉症対策

花粉飛散予測ならびに飛散状況観測

研究スタッフ:
三輪教授, 熊井院生

研究協力機関:
内灘町

研究内容:
石川県では、定点観測により得られたスギ花粉飛散数を毎年シーズン中に毎日インターネットで配信しています。金沢医科大学耳鼻咽喉科も観測地点として毎年報告しております。 当院の位置する海浜地区である内灘町は金沢地区に比べ飛散数が少ない傾向にあります。しかし、時に金沢市を上回る飛散数を計測することもあります。そこで、金沢医科大学が位置する石川県河北郡内灘地区の2月から4月までの期間におけるスギ花粉飛散状況と、その期間に当院を受診したスギ花粉によるアレルギー性鼻炎患者数を毎年検討しています。また、内灘地区と金沢地区における花粉飛散数と風向、風速の影響についても内灘町に設置された風力発電機で計測されるデータをもとに評価し、風速、風向の気象予報データとの関連からの飛散予想についても検討しています。

3.好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎の診断と治療

研究スタッフ:
三輪教授, 志賀准教授 , 八尾講師 , 山本助教 , 山田助教 , 中村院生 , 石倉院生 , 熊井院生

研究協力機関:
福井大学, 他

研究内容:
難治疾患の一つである好酸球性副鼻腔炎の診断基準や治療成績について、主に臨床データから検討を加えています。

参考文献:

4.睡眠時無呼吸症の診断と治療

睡眠時無呼吸症の診断と治療

研究スタッフ:
三輪教授, 酒井講師

研究協機関:
金沢医科大学病院(耳鼻咽喉科, 睡眠障害センター)

研究内容:
小児、成人ともにガイドラインは更新されており、いびきや無呼吸は日常生活においても身近な疾患です。病態も多様化しており、それに伴って検査、診断そしてテーラーメイド治療を選択しています。

研究業績


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