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【質問】
はじめまして。私は食品工場で衛生検査をしています。今回大腸菌群の確定試験と完全試験についてお教えください。
[質問の1]
弊社ではBGLB培地にてダーラム管に気泡がでるかどうかにて大腸菌群の判定をしてきましたが,もう少し進んで,
気泡がでたものについて白金耳によるEMB培地への移植を始めました。培養後のコロニーの色の判定についてはこの質問箱の「EMB培地での大腸菌群の判定[http://www.jarmam.gr.jp/situmon
/emb_daichokin.html]」を参考にさせて頂きました。今回はこの培養時間についてご指導下さい。通常35℃,
24時間後に観察し,廃棄をしておりますが,この廃棄を忘れ,そのまま室温にて48時間放置してしまい,何の気なしにもう一度コロニーを見たら金属光沢のあるコロニーに変わっていました。この様なことに対して知見を持っておられたら,
お教え下さい。
[質問の2]
この質問箱の「この黄色ブドウ球菌と大腸菌群の検査方法について[http://www.jarmam.gr.jp/situmon/staphylo-coli_tech.html]」において,
“BGLB培地を使用し, ガス産生の有無を確認した後, EMB培地で金属光沢集落を確認します。その後で純培養し,
IMVIC試験を行い, 大腸菌群に属する細菌か否かを判定します”とありますが,IMVIC試験の具体的な方法をお教え下さい。よろしくお願いします。
【回答】
[質問の1に対する回答]回答者はこの様な知見を持っていません。逆に,
24時間後に金属光沢があったコロニーが, 48時間後に金属光沢がなくなることはしばしば経験しています。金属光沢が認められたコロニーを純培養し,
IMViC試験 (次の回答) することにより, 大腸菌群に属する菌か否かを確認してください。
[質問の2に対する回答]IMViC試験はI (インドール産生試験), M (メチルレッド反応試験:
MR), Vi (Voges-Proskauer反応試験: VP), C (クエン酸利用試験) の4つの試験をいいます。インドール試験はSIM培地
(SIM確認培地: 日水製薬), MRとVPはブドウ糖リン酸塩ペプトン水 (VP-MR用培地:
日水製薬), クエン酸利用試験はシモンズクエン酸培地 (SC培地: 日水製薬) を使って試験します。各試験結果を「+」「−」で判定します。例えば,
4つの性状によるIMViC試験の結果が列記した試験の順番に「++−−」または「−+−−」であれば大腸菌です。組み合わせパターンの判定は食品微生物関係の書籍を参考にしてください。
(日水製薬・小高 秀正)
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