■ Bacillus属の同定での“非染顆粒” | |
【質問】
はじめまして。いつも参考にさせて頂いております。以前質問されていました「これはセレウス菌でしょうか???」[http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/korewa-cereus.html]の回答で“非染顆粒”という言葉を出されていたのですが, この“非染顆粒”とはどういうことでしょうか。この“非染顆粒”を確認することでBacillus cereusとB. thuringiensisの判別が可能なのでしょうか。もし, “非染顆粒”が芽胞のことであるのなら, 芽胞 (内性胞子) をつくる位置の違いで見分けるということでしょうか。同定キットである「API 50」も使用して同定を行っておりますが, APIではこの二つの菌を判別することは不可能であると思われます。遺伝子レベルにしても、16S rDNAの解析ではほぼ同じ配列で, 数塩基の違いしかないようなので非常に困難です。そういうこともあり, この“非染顆粒”を確認することで判別可能であるならば, 今後弊社でもこの方法を使用して同定を行っていきたいと考えております。ご回答, 宜しくお願い致します。 【回答】
また, Bacillus cereusとB. thuringiensisの判別は“クリスタル・トキシン”の確認で可能です。最近掲載した「質問箱」の“B. cereusとB. thuringiensisの鑑別同定”[http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/bacillus-kanbetsu.html]で回答者が写真を添付しましたので参考にしてください。 (日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
このたびは, ご丁寧にご回答頂きありがとうございました。わたくしは、質問者の上司にあたります◆●と申します。私どもは, 常温保管の無菌商品を中心に製造販売いたしており, セレウス菌を含む芽胞菌につきましては, 日々製造ラインの洗浄と殺菌について試行錯誤を繰り返しております。細菌の同定に関しましても, 通常の同定法に加え, 昨年度よりPCR法・API同定キットによる方法を取り入れ, 危機管理の一環として迅速に正確な判断と対応ができる様トレーニングを実施しております。しかしながら, なにぶんにも判断をつけかねる点も多く, 今回「質問箱」にお伺いすることとした次第です。ぶしつけではございますが, 今後ともよきアドバイス等頂けます様よろしく, お願い申し上げます。 |