■ 寒天培地について (夏休みの自由研究) | |
【質問】
始めまして。図書館の自由研究の本を探しておりましたら, 寒天培養が載っておりました。小学5年生の娘は科学が好きな子で, 夏休みの自由研究に目には見えないが, 手や足がどれだけ汚れているか??? 調べてみたいと, 2度自宅で寒天培養を試みてみました。寒天と水の割合を変えてみましたが, コロニーどころかまったく変化が見られなく・・・かなり娘ががっかりしております。図書館の本には詳しいことが載っていませんで・・・見るに見かねてインターネットで調べておりました。 寒天培地を作るのに市販の寒天で大丈夫なのが分かりましたが, 二点ほどアドバイスをいただけませんでしょうか??? (1) 寒天は普通の水道水でよいことは分かりましたが, 水道水の分量は粉寒天で箱に書いてある分量でよいのでしょうか??? 実験に適した環境を作るには柔らかめがよいとか, 固めがよいとかあるのでしょうか??? (2) 高圧釜とは圧力鍋のことでしょうか??? どの程度の加熱時間, 火加減 (おもりが回ったらすぐ止めるのかですとか・・・???)でしょうか??? 料理をする主婦の感覚で申し訳ありません。お忙しいとは存知ますが、ご指導をいただけませんでしょうか? 【回答】
[http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/natsuyasumi-kenkyu.html]
(1) 寒天は, 透明な固形の培地を“形作る”だけのものです。料理の感覚で, 充分な堅さのある (持っても, 形が崩れない) ものが出来上がれば充分です。 (2) 高圧釜は圧力鍋で代用できます。寒天培地の材料にもともと入っていた細菌やかびを殺す目的で使います。圧力鍋で処理した寒天培地をそのまま (なににも触れさせないで) 培養して, なにも生えてこなければOKです。おもりが廻ってから10分間程度そのままにしておけばいいでしょう。 なにも生えてこなかったということですが, 原因としてふたつ考えられます。私には, 娘さんが使われた寒天培地の内容が分かりません。もし“寒天だけ”だと, なにも生えてこないと思います。寒天は堅さのある形をつくるだけですから・・・この寒天に栄養を加えてやる必要があります。水道水ではなく, 例えばポカリスエット (ブドウ糖やビタミン) に溶かす, コンソメスープの素 (アミノ酸) を加えてみるといった工夫が面白いと思います。なにを加えた時に一番いろいろなコロニーが出てきたのか・・・これも立派な自由研究です。もうひとつは培養する温度です。ヒトの体温程度の温かさが必要です。普通の部屋でそのまま置いておくという方法もありますが, これだと主に“かび”が生えて来ると思います。 自由研究は決められた結果を出すものではないと思います。うまく生える寒天培地をどのように作ったのか・・・培地にいろいろなものを加えて, 工夫してみた・・・これも立派な研究です。頑張ってください。 (琉球大学・山根 誠久)
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