■フェノールレッド試験管培地での炭水化物発酵試験 | |
【質問】
こんにちは。初めまして。私はアメリカで微生物学の勉強をしております●●と申します。いつも「質問箱」のほう, 拝見させていただきまして, とても参考になり感謝しております。 今, フェノールレッド試験管培地でSaccharomyces cerviseaとStaphylococcus epidermidisを用いて, 炭水化物発酵実験というのをやっております。レポートの中に, なぜ糖類 (グルコース, フルクトース, マニトール) をそれぞれのフェノールレッド試験管培地内に入れてから12時間で判定しないといけないのか, なぜ24時間経ってから判定してはいけないのかについて書かなければいけないのですが, 考えても調べても, なぜそれがいけないのかわからなくて困っております。正しい判定ができないからということであるのはもちろんわかっているのですが, なぜ正しい判定ができないのかについては, どうしても具体的な理由がわかりません。お忙しいところ恐れ入りますが, それについて, どうか教えていただけないでしょうか。よろしくお願い致します。 【回答】
糖の分解性を調べる培地はたくさんあります。フェノールレッドを指示薬とする培地もいくつもあります。調べる培地 (含有組成成分/含量や斜面/高層斜面培地等々) によって培養時間も異なって来ます。フェノールレッドを指示薬とする培地でも, 培養時間を数日〜それ以上に延長して判定する場合もあります。とにかく、「フェノールレッド試験管培地」だけでは質問内容が正確に判りません。 なお, 「Saccharomyces cervisea」や「Staphylococcus epidermidis」はいずれも gluconeogenesis (糖新生) という性質をもっています。「フェノールレッド試験管培地」はヒョッとしてCTA培地の類いなのでしょうか??? 仮にCTA培地の類いであるとすれば, 長時間の培養で正しい成績が得られなくなることは充分に考えられます。まさに糖新生による現象「 http://www.jarmam.gr.jp/situmon/toubunkai.html」が長時間の培養で発生する「 http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/staphylo-toushinsei.html」ことが考えられるからです。このような回答でご了解いただけるでしょうか。 (信州大学・川上 由行)
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