■ ピザの生菌数と乳酸菌数 | |
【質問】
はじめまして。●●食品株式会社品質管理室の■■です。 弊社で, 未加熱の“ピザ”の検査を始めたのですが, 生菌数の菌数より乳酸菌の菌数の方が高くでてしまいました (ピザに上にはナチュラルチーズが載っています)。生菌数は, すべての菌数の中で一番高くなると聞いていたので, 何回か再検を行ったのですが, やはり乳酸菌の数値の方が高く出てしまいます。この場合はやはり検査ミスになるのでしょうか??? それとも, 生菌数より乳酸菌の数値が上がるのは普通のことなのでしょうか??? 生菌数 (使用培地: 標準寒天培地) 培養条件 35℃, 48時間
よろしく, おねがいします。 【回答】
仮に“検査ミス”を推定した場合は, 次のことが考えられます。すなわち, 標準寒天培地における乳酸菌のコロニーは非常に小さいため, 見落とすことです。これに対してBCP寒天培地ではブドウ糖を分解して酸を産生しているコロニーは, BCPにより黄色くなり菌数測定が標準寒天培地より数え易いため, コロニーの見落としが少ないことです (ルーチンワークの菌数測定時には拡大鏡を使うことをお勧めします。回答者はライティングルーペを使っています)。本質問とは直接関係ないとは思いますが, 参考までに, 回答者らが行ったピザ生地 (チーズなし) の菌数は一般生菌数で1グラム中100 CFU以下でした。チーズの製造工程で, スターターとして乳酸菌を使います。この時の菌数は, ミルクまたはカード中に1グラム中10^9います。熟成中はチェダーチーズでは1グラム中10^8以上になります (Richeter,RL,RA Ledfor,and SC Murphy: Milk and Milk Products, In Compendium of Methods for the Microbiological Examination of Foods,3rd,APHA)。 (日水製薬・小高 秀正) |