08/02/27
■ 食品微生物検査での希釈液
【質問】
 はじめまして。食品会社の品質管理室に勤務しているものです。食品の微生物検査の“希釈水”について質問があります。

 これまでは, すべての食品サンプルでリン酸緩衝生理食塩水を使用してきましたが, この度ストマッカーを検査に導入することにより手間とコストがかかるので, “滅菌水”に置き換えようかと考えています。「食品衛生検査指針」には, ペプトン加生食塩水や生理食塩水等がいいと記載されていますが, 滅菌水でも問題ないでしょうか??? 対象製品は, 粉末からし, 冷蔵練りからし, カレーフレーク, 乾燥スパイス, ねり梅製品などですが, 何が適しているのかアドバイスをお願い致します。

【回答】
 希釈液としては, “滅菌水”は微生物に対して浸透圧が違うため適していません。質問者の場合には, ペプトン加生理食塩水が適していると思います。

「ストマッカーを検査に導入することにより手間とコスト」という部分が回答者には理解できません。今まではどの様に試料の調製をしていたのかわかりませんが, 現在, ストマック袋用に秤がついている分注機があり, とても便利です。ストマック用の袋に検体を採取し, 分注機にセットすると10倍希釈になるように希釈液が自動で注入されます。また, コストとして滅菌水は精製水だけなので一番安いのは理解できますが, リン酸緩衝生理食塩水とペプトン加生理食塩水を自分で作れば, その試薬価格は微々たるもので, 検査結果の信頼性をを考慮すれば, 決してコスト高だとは思いません。「質問箱」の下記のQandAも参考にしてください。

http://www.jarmam.gr.jp/situmon/seikinsuu-sokutei.html
http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/pepton-seishoku.html

(日水製薬・小高 秀正)

【質問者からのお礼】
 ご回答, 誠にありがとうございました。大変参考になりました。早速, 導入の検討をさせて頂きます。ありがとうございました。


戻る