我が町の病院について考える
近年の医師不足などを背景に医療に対する国民・県民世論、マスメディアの報道姿勢が変化し、政府も医療政策の「修正」に転じようとしています。他方で能登北部医療圏の公立・公的病院の厳しい経営実態が伝えられ、地域住民にとって身近な医療機関がどうなるのかという不安・問い対して、明確な答えが出ていません。いま、私たちの病院機能はどうなっているのか、必要な医療提供体制をどう築いたらよいのか。医療関係者のみならず患者さん、利用者さんとともに地域医療の将来を考えましょう。
始まりは2006年「医療制度改革」
その前年の2005年9月、小泉政権のもとでいわゆる「郵政解散」による第44回衆議院議員総選挙が実施され、296議席を獲得した自民党が歴史的圧勝を納めました。この時成立した巨大与党を背景に、アメリカ型市場万能主義が何より好きな小泉政権は、2006年6月、会期末を控えた164回国会で医療制度改革関連法を成立させました。社会保障制度と税の一体改革の途中で生まれた「後期高齢者医療制度」や「療養病床の削減」、「メタボ健診」の実施も、この時決められたことであります。
「医療制度」というと、なんとなく難しくて、自分には関係のないもののように思うかもしれません。でも、誰もが税金や社会保険料を負担し医療制度をささえ、反対に病気やケガをすれば医療を受ける側になる。誰もが日本の医療制度の当事者なのです。ひとりひとりが「日本の医療・我が町の医療」について考え、声をあげていかなければなりません。
医師不足と病院経営の悪化で地域医療は崩壊状態
医療費抑制は病院に勤務する医師の労働環境を悪化させ、病院経営は苦境に陥り地域の医療システムは崩壊状態に陥っています。また、平成16年(2004年)から始まった新人医師の新臨床研修制度も、結果的に地域の病院で医師を確保することを難しくしました。医師不足に悩む地域の病院では、限られた医師や医療スタッフに過重な役割と責任が負わされ、とくに産科や小児科、救急医療を担う医師たちが次々と職場を去っていったことも事実です。
医師や看護師が決定的に不足した病院はとうぜん経営も立ちゆかなくなり、地域に暮らす人々に必要な医療を提供できなくなります。加えて、小泉改革のひとつとして進められた「三位一体の改革」により地方交付税が減らされ、自治体財政が極端に悪化したことも自治体病院の経営を困難にした要因です。高度で特殊な医療や救急医療、へき地医療など利益の出にくい部門を担ってきた自治体病院は、いま大きな曲がり角に立っています。
我が町の地域医療をどう守るか
医療費抑制は病院に勤務する医師の労働環境を悪化させ、病院経営は苦境に陥り地域の医療システムは崩壊状態に陥っています。また、平成16年(2004年)から始まった新人医師の新臨床研修制度も、結果的に地域の病院で医師を確保することを難しくしました。医師不足に悩む地域の病院では、限られた医師や医療スタッフに過重な役割と責任が負わされ、とくに産科や小児科、救急医療を担う医師たちが次々と職場を去っていったことも事実です。
医師や看護師が決定的に不足した病院はとうぜん経営も立ちゆかなくなり、地域に暮らす人々に必要な医療を提供できなくなります。加えて、小泉改革のひとつとして進められた「三位一体の改革」により地方交付税が減らされ、自治体財政が極端に悪化したことも自治体病院の経営を困難にした要因です。高度で特殊な医療や救急医療、へき地医療など利益の出にくい部門を担ってきた自治体病院は、いま大きな曲がり角に立っています。