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研修医・学生の声

永嶋 朋恵 研修医(石川県立中央病院) 研修期間:2021.1. 1~ 1. 31

この1か月間、自分が金沢で研修している病院では経験できないことをたくさん経験させていただきました。
私にとって、子供の頃に住んでいた穴水はふるさとのような場所であり、地域のつながりが強い、いい人が多い、牡蠣がおいしいなど知っていた部分がある一方で、子供の頃の視点とは違った視点で穴水を見つめなおした時に、新しく学ぶこと、知ること、変化していることが多くありました。

金沢の研修病院ではガイドラインに沿った方法で全力救命し、治療が終わると退院していく、ということを繰り返し行ってきて、それが医療業界での当たり前だと思っていました。

しかし、ここで学んだことはそうした当たり前が存在しない、あてにならないということです。ここでは一人の患者さんに対してその人の経済状況、年齢、住んでいる地域、周りの家族、何を幸せに感じるかなど、ガイドラインに載っていないことを考慮し、個々に合わせたオーダーメードの治療を行っている場面を多く経験しました。

場合によっては治療しないという選択肢もありました。最初はこれでいいのかなと思った時もありましたが、これこそがこの場所にいたい、家族といたい、この場所で死にたい、苦しみたくない、ご飯を食べたいといった患者さん本人の幸せにつながっていると感じました。

また自分が子供の頃は、大人も子供も多く住んでいた地域が、現在は人が少ない地域になっていたり、お店が廃業してしまっていたりと廃れてしまった部分も存在していました。また、1か月穴水で暮らしてみて気付いたことですが、存在することが当たり前だと思っていたもの(物、お店、サービスなど)でも、この地域にはないものも多くありました。

このような地域偏在、格差といった中で、もともとある大切な地域のつながりを壊さないように、格差なく医療、サービス、教育などが受けられるようなシステム作りをしていくことがこれからの課題でもあるとも感じ、これから自分がやりたい予防医療や地域のシステム作りに関することとして重要な経験となりました。

最後になりますが、多くのことを教えてくれ、刺激を与えて下さった先生方、優しく笑顔で接して下ったコメディカルの皆様、事務の皆様、穴水の皆様、コロナ禍で大変であるにも関わらず、温かく迎え入れて研修させて下さり、本当に本当にありがとうございました。


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三ノ宮 優太 研修医(氷見市民病院) 研修期間:2021.1. 1~ 1. 31

穴水総合病院で研修をして、地域の高齢化と、医療人としての地域医療への関わり方について考える機会になりました。
今回の研修では、早期介入できず、さらに合併症も多く治療に難渋する患者さんや、地域で独居となり生活に張りがなく、精神衛生状態が良くない患者を診る機会が多くありました。
そういったことから、積極的に医療知識や健康意識の低い方へ指導や介入をしないと、健康な人が病気になったり、重症になってから病院に運ばれたり、生きがいもなく社会的孤立をしてしまう人が増えてしまうと危機感や現実を感じました。
これから人口が、日本の地域の至るところで減り、都市部に密集していく流れの中で、地域独自の文化や活気を保ち続けるためにも、社会性や健康管理を含む医療リテラシーに対する介入方法を考えて、根付かせるためにも早くから行動する必要があると思いました。

若手医師の先生方との意見交換も勉強になり、感化される部分もたくさんありました。1か月の短い期間でしたが、いい研修期間になりました。ありがとうございました。

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岩井 奈緒 研修医(さいたま市立病院) 研修期間:2020.11. 1~ 11. 30

 1か月間の地域医療研修を経て、これまでの研修では経験できなかった地域医療の温かさ、穴水町の人々の温かさを知り、とても魅力を感じた1か月間でした。

 私は生まれは岩手県と田舎ですが、初期研修から埼玉県へ出ることとなり、比較的慌ただしい救急、病棟を経験してきました。

  1年半ほど経ち、それなりに業務には慣れてきたと思っておりましたが、穴水総合病院で地域医療に触れ、これまでに経験してこなかったものを経験することができました。

  今回の地域医療研修では、外来診療や訪問診療を通して、患者さんの話を聞く中で、医療的な問題のみならず社会的な問題など、その患者さんの問題の根本となるは何なのかを追求する先生方・コメディカルの方々の姿に感銘を受けました。

  これまでの研修では、患者さんの背景にまで寄り添って考えられたことがなかったと思います。業務量の問題や病院ごとの役割もあるとは思うので、良し悪しは一概には言えませんが、急性期病院と地域医療の医療の違いを身をもって体感できたように思います。

将来的にはやはり自分の出身地で、私も地域医療へと尽力したいという気持ちが強まった1か月間でした。

あっという間でしたが、1か月間大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

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原田 紡 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2020.4. 1~ 4. 30

一か月間、主に外来と訪問診療を経験させて頂きました。初診の一連の流れを実際にやってみると、患者さんがどういうことを知りたいのか、自分が何をわかっていないのかを知ることができました。

その観点から復習することで、より実践的な学習ができたと考えています。

また説明の際に、ただ事実を並べるだけではなく、患者さんの知りたいこと、伝えなければならないことにメリハリをつけて話すことが大事だと学びました。

 訪問診療もとても大きな経験になりました。

今までの研修では、主に急性の問題で入院されている方々を診てきました。訪問診療では疾患はある程度落ち着いており、入院に繋がってしまいそうな変化が生じていないか、新たな問題が生じていないかを検討するため、今までとは違う見方が必要と分かりました。

また、今まで退院していく患者さんを診るなかで、その後の生活があることは頭ではわかっていても、実際にそこを深く考えたことはありませんでした。今回実際に患者さんの生活を見たことで、患者さんが治療して退院していくのは、日常生活に戻るためなんだと気づきました。

振り返ってみると、今までは治療の先を考えておらず、治療が目的のように感じてしまっていたような気がします。先を見越した判断をするためには、その方全体をみて今後を予測できる十分な知識と経験がないといけないとも感じました。

また、実際に家に伺うことで、家の状況や、家の外や本人の前では出せない家族の気持ちなども知ることができました。家族の介護やサービスの利用があって初めて患者さんが自宅で過ごせている場合が多いため、家族をケアすることは患者さんをみるのと同じく大事だと分かりました。加えて、在宅では患者さん・ご家族は助けを得ながらも自立して生活しなければならないこと、病院内のように他のスタッフといつでも話せるわけではないことから、多職種での連携がより大事ということもわかりました。

情報を共有したり、内容ごとに適任の方にお願いし合えるように、良好な信頼関係の構築がより重要だと感じました。

穴水町の歴史や地域のことも教えて頂き、患者さんの背景となっている土地柄を知れてとても興味深かったです。

全体を通して、最近、仕事をこなすだけになってきていてたことに気づきました。人に温かく接し、それぞれの患者さんや家族の気持ち、困っていることをもっと聞き出して対応できるようになりたいと改めて思いました。

1か月と短い期間ではありましたが、普段の研修ではなかなか経験できないものの、どの分野でも必要になるとても大事な経験をさせて頂きました。

お忙しい中、親切にご指導・ご対応くださり、ありがとうございました。


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張 乃文 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2020.1. 6~ 1. 31

1か月間大変お世話になりました。本当に貴重な1か月となりました。

貴院のみならず、訪問診療、兜診療所、まるおかクリニックなど、他施設で研修させていただき、また他院でのクリニカルカンファレンスなどイベントに連れていただき、楽しみながらも大変勉強になりました。

お忙しい中、研修センターの方々および先生方、コメディカルの方々に研修を快諾していただき、熱心にご指導いただいて、誠にありがとうございました。

わたしはふだん大学病院で研修しておりますが、大学病院では上級医の先生が指示し、研修医は指示されたことを行うことが多かったように思います。大学病院では初診を診る機会はありませんでしたので、貴院で初診を多く見せていただけたのは本当に貴重な経験となりました。

初診では重大な疾患の見逃しがないかを常に意識しながら診察しました。医学書を読みつつ鑑別疾患を考えていく作業は、自分の成長に大きくつながったように思います。慣れないことばかりでご迷惑をおかけしたかと存じますが、ご多忙の中ご指導いただいた先生方にはこの場を借りて御礼を申し上げます。

先生方との会食および穴水で過ごした時間も大変貴重な経験となりました。東京以外に住んだことがなかったため、穴水をはじめ能登半島、石川県に関するお話は大変興味深かったです。

また、東京では常に時間に追われていましたが、この一か月間休日は穴水を散歩したりするなどのんびり過ごして、自分の将来を改めて考える時間を持てたことは大変良かったと思っております。

穴水にお邪魔するまで不安でいっぱいでしたが、皆様のお陰様で楽しみつつも医師として成長した1か月を過ごさせていただき、心より感謝いたします。

また能登に来る機会がありましたら、ぜひ穴水におじゃまさせていただこうと思っております。

本当にありがとうございました。


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樋口麻那美さん(東海大学医学部6学年) 6年次選択臨床実習 実習期間:2019. 5.20 ~ 5. 31

2019520日から31日までの2週間、穴水総合病院および地域の医療施設で実習させていただきました。

「地域医療とは何か」という問いに最初は答えることができませんでした。しかし、訪問看護や訪問診療、あゆみの里での実習、兜診療所での診察、舳倉診療所訪問を見学させていただくことによって能登地方、穴水町における地域医療の現状を肌で感じることができました。

地域住民が住み慣れた土地で、健康で幸せな生活を送れるように、自然な形で地域や生活に医療が溶け込み、多くの組織と住民全体を巻き込みながら継続的にサポートすることが地域医療なのだとこの実習を通じて、少しずつですがわかったような気がします。

今後さらに高齢化が進んでいく日本において、この穴水町で行われている地域医療はとても重要な意味を持っていると思います。

今回の研修では楽しい同期と共に、素晴らしい指導医の先生方やスタッフの皆さん、優しい地域の方々のご厚意に恵まれ、素晴らしい2週間を過ごすことができました。

単なる地域研修を超えて、様々な機会と経験を与えてくださった金沢医科大学能登北部地域医療研究所・公立穴水総合病院の皆様、患者さんとそのご家族、地域の皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。国試が終わったら遊びに来ます


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藤間萌子さん(東海大学医学部6学年) 6年次選択臨床実習 実習期間:2019. 5.20 ~ 5. 31

2週間の穴水総合病院での実習を終え、いまは寂しい気持ちでいっぱいです。私は生まれも育ちも神奈川県で、まあまあな都会で生きてきました。大学も神奈川県の少し田舎の方ではありますが、高度先進医療を行う800床の病棟があり、5年次には綺麗な大学病院での実習を行いました。そのため、今回選択実習で穴水にきたことで初めて田舎の生活を体感し、高齢化の進んだ社会や地域医療の実態を学ぶことができました。

まず、へき地医療や訪問看護や訪問診療など、病院外で行われる医療行為が多いことが印象的でした。奥能登では90歳代や100歳を超えた方が多く、70歳代の方が若く思えるほどに皆さんお元気にご自宅で生活されていました。訪問したお宅でも独居の方や高齢のご夫婦で介護なさっている方がいて、交通の便が悪く医療機関が少ない田舎において、病院外での医療行為は必要不可欠であることを実感しました。また医療従事者だけでなくデイケアサービスの方や食事宅配の方、近隣住民の方など町全体で支援することで、地域医療が担われているのだと思いました。今後日本全体で高齢化が進んだ際には、穴水の町をロールモデルとして、1人の医師として診療にあたっていきたいです。

次に、舳倉島への船が一度欠航になったにも関わらず行かせていただけたことも、良い思い出となりました。島民は多くありませんが、24時間365日常勤の医師がいることで安心して生活できるとのことで、Drコトーの漫画で読んだような生活を垣間見ることができました。無人になってしまう島も多い中で、とても貴重な場所だと思うのでこれからも残ってほしいと思います。

最後に、穴水での生活は想像以上に楽しいものでした。町の人々は優しく受け入れて下さいました。お酒も魚もとってもおいしくて、毎日幸せに過ごせました。中橋先生、橋本さんをはじめとする穴水総合病院の方々、あゆみの里の方々、穴水町の方々本当にありがとうございました。また遊びにきます、その際にはよろしくお願いします!!


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森 健さん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2019. 5.22 ~ 5. 23

 1日目病院見学後、病院に隣接するあゆみの里という介護施設に行き、高齢者とお話したり食事のお手伝いをしたり、車椅子を押して散歩に行ったりした。私は88歳の元気なご老人と話したが、15歳から77歳まで大工の仕事で活躍されており、大工をやめてから10年は農業をなさっていたようで、凄く若々しい方だった。家で一人暮らしをしていたが転んで頭に怪我を負って入院されていて、その後あゆみの里にお世話になっているようだった。また私だけその場の流れで、胃瘻で栄養を摂る高齢者の方の様子を見学することができたが、とても苦しそうに体を揺らしている様子だった。認知症がかなり進んでいる患者さんの食事の介助も行い、とても大変だと思った。昼食休憩のあと車椅子を押して散歩に行ったが、坂や段差も多くかなり体力を使った。介護士さんはもっと大変なことを毎日長い時間行っているのだと考えると本当に凄いと思う。

 その後、病院に戻り穴水町のやぶこし商店を題材にしたドキュメンタリービデオを見ることになり、田舎の生活感がありありと映し出されてノスタルジックな気持ちになった。

 2日目の午後から当初訪問医療についていかせていただく予定だったが、その日は訪問する場所がなかったらしく、救急外来の見学に変更になったが救急外来の患者さんが来る様子がなく、結局近くを散歩して町の様子を見ることになった。病院の周りには郵便局や銀行など日常でよく利用する施設が多かったが、駅周辺では記念館や飲食店があるだけだった。穴水市では人口の約半分が高齢者であり、病院を利用する人の割合が多いことから病院を中心にして社会を形成する「病院下町」として、少子高齢化が進む日本の新たな社会モデルを築き始めてるのではないかという話が凄く興味深いと感じた。

 散歩の後、実習に来ていた東海大学6年生向けの終末期医療に関する話を聞くことになり、死ぬとはどういうことか、安楽死や尊厳死について、色々な症例において胃瘻をするべきか否か等、倫理的な話が多く考えさせられる内容だった。

 私は手術がメインの臨床医が現状での目標なので、都会の人が多い病院で経験を積みたいと思っていて、地域医療に関しては今後に生かせることは少ないかもしれないが、逆にいま都会と関係ない地域の話を聞くことができて視野が広がって良かったと思うし、人間の尊厳については今後多くの患者さんと向き合い寄り添っていくうえで大切にしていきたいと思う。


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六車 彩夏さん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2019. 5.22 ~ 5. 23

今回、実習を通して多くのことを学ぶことができました。穴水は高齢化が進んでおり、地域に根付いた医療とはどういったものなのかを知ることができました。

あゆみの里では老健施設がどういった施設なのか、また食事の介助や日々の生活のお手伝いをさせて頂いて高齢者の介護の大変さを改めて知ることができました。食事は一人一人違っていて、スタッフさんはそれをきちんと覚えてすごいなと思いました。

 

二日目の兜診療所では地域医療を担っていくにはどういった医師が必要なのか、またどんな知識が役に立つのかを学びました。医師として診療をただ行うだけではなく、患者さん一人一人を取り巻く環境を理解し、高齢化地域では特に患者さん本人だけでなく、その家族との連携をとることが大事だと分かりました。

 

中橋先生から学んだ終末期医療についてはいろいろ考えさせられる所がありました。「死」とはどういったものなのかについて、人の記憶からその人が消えてしまったら「死」なのではないかということに感銘をうけました。また、胃ろうのお話で人工的な死、自然的な死を考えたとき私は自然的な死が良いように思っていましたが、講義を受けて考え方が変わりました。七夕の短冊の写真をみて、「おさしみを食べたい」という一言から色んな想像をし、医師の仕事は食べさせないようにするのではなく、食べれるようにしてあげるにはなにができるのかを考えることだとおっしゃていたことが非常に印象に残りました。改めて医療従事者になるためにはもっと広い視野を持ち、深く物事を考えながら日々の生活を送っていくことが重要だと思いました。

 

二日間の実習を通して地域医療の現状を知ることができました。大学では学べない生の医療現場を見ることができて面白かったです。貴重な経験をありがとうございました。


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安井 佑希さん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2019. 5.22 ~ 5. 23

 私は石川県出身ですが、今回の医療体験実習で初めて穴水町に来ました。これまでは牡蠣が美味しい、遠藤の出身地ということくらいしか知りませんでした。

 今回の実習を通して、まずは穴水町の現状、そして穴水だけでなく地域の医療の現状を知りました。65歳以上の高齢者が約半数を占めている地域では、一人暮らしの高齢者も多く、認知症や臓器不全などで一人暮らしを宇づけることが困難になっても、施設がなかなか空かないで困っている。また、医療スタッフの高齢化が問題となりつつあることがわかりました。しかしながら、地域で協力し合い、送迎や他の人にできないことを各自が手伝い、お互いがお互いのケアをしようとする姿勢や、医療側としては住民の要望を聞き入れた診療予定や施設の割り振りなどで人員不足などをカバーしていくといった対策を講じていました。地域医療のもう一つの問題としては、若いスタッフが増えづらいということですが、これに関しては奨学金制度を利用して補っていました。

 病院の周りにはコンビニやスーパーマーケットもあり、高齢化社会の縮図として、病院に行くついでに買い物をするといった需要が生まれており、中橋先生がおっしゃられていたようないわゆる「病院下町」ができつつある、穴水はそのモデルの一つかもしれないという考えに大きく共感しました。ゆくゆくは交通網も病院中心に展開し、地方が連結した病院都市として、超高齢化地域が繋がっていくのかも・・といった想像もできます。

 二日という短い期間でしたが、地域医療について非常に多くの新しいことを学ぶことができ、また、穴水町のことを沢山知ることができて大変感謝しています。短い間でしたが本当にありがとうございました。

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