教授挨拶

 がんは、いまだ日本人の死因第一位を占め、現在も増加し続けています。2000年初頭頃より、がんの治療領域に分子標的薬の登場、ごく最近では免疫チェックポイント阻害薬の登場と、近年の20年で全く新しい治療薬の登場により多くの臓器がんの5年生存率も改善傾向にあります。がん治療の「均てん化」が進められていく中で、がんの薬物療法も、従来の殺細胞性抗がん薬を主体とした標準治療からがんの個性(特性)を捉えたよりより高い効果が期待されるこれら分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬にその座をゆずり非常に進歩発展し治療の個別化、臓器横断的治療へと大きく様変わりしつつあります。
 国の第3期がん対策推進基本計画には、がん医療の充実が重点事項として加わり、なかでもがんのゲノム医療が最も優先すべき課題として取り上げられました。その決定を背景に2019年6月にがんの遺伝子異常を網羅的に検査する「がん遺伝子パネル検査」が保険収載されました。がんが遺伝子異常を背景に発生増殖することが明らかになったからです。これまで標準的治療薬のなかった肉腫などの骨軟部肉腫や原発臓器が不明な原発不明がんなどに、新たな治療標的が見いだせる機会を提供し、また肺がん・胃がん・大腸がん・乳がんなど頻度の多い固形癌においても標準治療が終了した、いわゆるがん難民の救済手段としても本遺伝子パネル検査は有用であり新たな治療選択肢をもたらす検査として期待されています。
 今後、がん固有の特性(バイオマーカー)を検査で見いだし、治療標的とする分子標的薬や免疫抑制解除からの抗腫瘍効果活性化を促す免疫チェックポイント阻害薬などが最も有効に効果を発揮する真のバイオマーカー探索同定を通して新たな治療薬開発を進め、ひとりでも多くのがん患者がその恩恵を享受できるようこれまで以上に積極的にわれわれも取り組んで参ります。

金沢医科大学医学部腫瘍内科学 教授
金沢医科大学病院腫瘍内科長
安本 和生

プロフィール

氏名安本 和生
生年月日昭和35年7月8日
学歴 1986年 島根医科大学(現 島根大学医学部)卒業
1993年 金沢大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)
職歴 1986年 浜松医科大学第1外科・医員
1987年 静岡県立総合病院 外科・医員
1993年 金沢大学がん研究所附属病院 腫瘍外科・医員
1995年 金沢大学癌研究附属病院 腫瘍外科・助手
1996年 富山逓信病院 外科・部長
2002年 金沢大学附属病院 腫瘍外科・助手
2007年 同・講師
2013年 金沢大学がん研究所 腫瘍内科(附属病院がんセンター)・准教授
2015年 金沢医科大学 腫瘍内科学・特任教授、集学的がん治療センター副センター長
2019年 同・副がんゲノムセンター長兼任
2021年
同・集学的がん治療センター長、副がんゲノムセンター長兼任
北信がんプロフェッショナル養成推進プランコーディネーター

化学療法センター(集学的がん治療センター)長
大学病院がんセンター長
がんプロフェッショナル養成プラン統括コーディネーター

地域がん医療推進センター長
個別化医療センター長
好きな言葉 連帯を求めて、孤立を怖れず。
力及ばして倒れることを辞さないが、
力尽くさずして挫けることを拒否する。

スタッフ紹介

教授 安本 和生
専門領域 臨床腫瘍学, がん薬物治療学, 消化器系がん, がん一般
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本胃癌学会(代議員)
  • 日本乳癌学会
  • 日本がん転移学会(評議員)
  • 日本分子標的治療学会
  • 日本腫瘍循環器学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 腫瘍内科医会
助教 犬嶌 明子
専門領域
所属学会