『緩和（かんわ）ケア』とは、がんが進行した方だけではなく、「がんと診断された早い時期」から、がんに対する治療と並行して患者さんとご家族を支えていくケアです。
　病気や治療に伴う痛みやその他のからだの症状、不安・抑うつなどの心のつらさ、療養上のさまざま問題など、つらさを和らげ、安心して療養生活を送ることができるようにサポートを行います。

　患者さんやそのご家族のつらい症状を和らげ、希望されている療養生活を送ることができるように支援を行う専門チームです。
　主治医や病棟・外来スタッフと連携・協力をして、緩和ケアチームのモットーである、「いつでも、どこでも、誰にでも最良の緩和ケア」が、当院を受診した全ての患者さんに緩和ケアを受けることができることを目指し、取り組んでいます。

　つらい症状、つらい気持ちなどのある方は、緩和ケアチームにご相談ください。

1. がん告知後の患者さんとご家族の心情への配慮とケア
2. 身体のつらさへ（痛み、悪心嘔吐、呼吸困難、倦怠感、浮腫など）の対応
3. 気持ちのつらさへ（不安、気持ちのつらさ、せん妄、不眠など）の対応
4. ご家族など介護をする方のサポート
5. 患者さんやご家族の要望に応じた療養を選べるようにサポート

　当院の緩和ケアチームのメンバーは以下のような専門家によって構成されています。

• 

  病気の進行や治療によって身体の痛み、吐き気・便秘などの消化器症状、呼吸困難感（息苦しさ）、全身倦怠感（だるさ）などが出現することがあります。これらの症状による辛さができるだけ軽くなるように、主治医とともに治療していきます。

• 

  闘病に関わるさまざまな苦痛のうち、主に精神面の苦痛に対するケアを担当しています。特にがん治療にともなう不安や抑うつなどの気持ちのつらさ、不眠や食思不振、せん妄状態などの軽減や調整をおこないます。

• 

  患者さんとそのご家族との意思を確認しながら、個々の状況に合わせて、安心・安楽に療養を送るように、生活を支えます。

• 

  痛みをはじめとしたさまざまな症状を緩和するための薬の提案や説明をします。

• 

• 

  がん患者さんを対象に栄養支援を行っています。患者さん個々の症状や気持ちに寄り添う食事工夫をしています。食事に関して不安な事がありましたら、お気軽にご相談下さい。

• 

  病気や治療に伴って生じるさまざまな療養生活上の問題(経済的なこと、仕事のこと、療養場所など)について、その改善や解決に向けて考えるお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

• 

  患者さんやご家族の、がんに伴う不安や気持ちの落ち込みを、心理学の立場から専門的にサポートをします。

• 

  がんの治療に伴う体力の低下や病気の進行によって、日常生活が送りにくくなることがあります。患者さんの状態に合わせて、体力を維持する運動や、痛みや苦痛が少なくなる動作方法の練習を行います。また、家庭での役割や趣味が継続できるような練習なども取り入れていきます。

• 

  患者さんのお口の症状に合わせた口腔ケアを基本に考え、お口のトラブルの予防など、ＱＯＬ（生活の質）の向上・維持に努めます。