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緩和ケア緩和医療情報
がんの痛みの治療について
がんと診断された後、痛みが出てくると「病気が悪くなっているのではないか」と不安になります。しかし、がん患者さんに起きる痛みは、全てががんに関係しているわけではありません。また、痛みが強くなった=病気が悪くなっている、とは限りません。痛みは、色々な原因で出てきます。がんが原因で痛みが出てくることは多いのですが、それ以外に次のような原因もあります。
- がんの治療に関連した痛み
手術後の痛みが長引く、放射線治療による口内炎、化学療法による神経障害など - がん以外の病気による痛み
腰椎の変形による腰痛、変形性関節症(股関節・膝関節など)、片頭痛など
痛みの治療は、どのような原因で痛みが出ているのかを考えながら痛みの強さに応じて行いますが、完全に痛みがなくならないこともあります。痛みがあっても普段の生活にとって大きな支障にはならないことを目標において治療していきます。
痛みに対する治療は薬による治療を中心に行います
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痛みが強い場合は医療用麻薬を痛みに合わせて使用します。
- 原則として内服薬で治療しますが、「食べられない、飲み込みにくい」場合は点滴による治療を行います。
- 神経へのがんの浸潤や圧迫、治療によって神経がダメージを受けていることが原因で痛みが出ているような場合(神経障害性疼痛)は痛み止め以外の薬を使用する場合があります。
痛みの部位、強さによっては神経ブロック療法を行うこともあります
痛みの原因となっている神経の周りに直接痛み止めを作用させたり、神経を凝固したりすることによって痛みが伝わるのを防いで痛みをやわらげます。
神経ブロック療法について、詳しくはこちら
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骨へのがん転移が原因の場合は、放射線治療や手術による治療をお勧めすることがあります
放射線治療は放射線科、手術は整形外科が行います。
痛みを軽減するために、リハビリテーションを行うことが有効な場合があります
リハビリテーション科と相談して、患者さん一人一人に合ったリハビリテーションを提案していただきます。
医療用麻薬について
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痛みの治療に使われる医療用麻薬(オピオイド)は、決して怖い薬ではありません。医師の指導のもとに、痛みのある人が正しく医療用麻薬を使用する場合、麻薬の依存症になることはほとんどないといわれています。また、痛みが軽減したり、痛みの原因がなくなったりした場合は徐々に減量していき、使用をやめることができる場合もあります。痛みが強くなった場合は、症状に合わせた量に調節することができます。早期から痛みの治療を開始すると、生活の質が改善され、前向きながん治療にもつながるとされています。
医療用麻薬の副作用で一番多いのは便秘です。医療用麻薬を開始するときは、便秘の薬も一緒に始めることがほとんどです。次に多いのは眠気と吐き気があります。眠気は通常、数日でなくなってきます。吐き気は30%位の方に出ますが、吐き気止めで抑えることができます。また、7~10日間ほどで吐き気がなくなることが多いので、吐き気止めは2週間で中止します。
食事支援について
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がん患者さんに対する具体的な食事支援について
管理栄養士はがん患者さんの病状や症状に応じて、栄養支援を行います。治療中のがん患者さんから、「食欲がない」「吐き気がある」「食事がしみる」「味がしない」など多くの相談を受けます。がん治療の副作用に対しては、症状別の食事対応を行います。現在、当院では、症状別の食種として食欲不振に対応するGA食と口内炎に対応するMU食をご用意しております。
GA食(食欲不振食)の献立内容
- 食事量は、負担軽減のため、主食(ご飯、おかゆなど)、副食(おかず)共にほぼ半分量になっています。
- 主食はおにぎりやパン、めん類などを選ぶことが出来ます。
- 食べやすく、のど越しの良いさっぱりしためん類や寿司、汁物、酢物、果物、ゼリーなどを献立に取り入れています。
- 栄養量を増やしたい場合は、主食量の変更や栄養補助食品などの追加で対応出来ます。
GA食の献立例
食事に関して疑問に感じることや不安に思うことがありましたら、管理栄養士にお気軽にご相談下さい。
リハビリテーションについて
がんのリハビリテーションについて
がんの治療には手術はもちろん化学療法や放射線療法など、その状態によって様々な治療が選択されます。これらの治療を行っていく中で、治療そのものの合併症だけではなく、入院が長期化することで体力低下や筋力低下などの症状が徐々に表れるようになり、気が付くと日常生活が満足に行えないようになっていることも少なくありません。
これらの症状を早期から予防するために、入院や治療開始時より、リハビリテーションを行っていきます。
これにより身体の機能低下の予防、がん患者のQOL(生活の質)維持、要望を叶えるなど、必要な支援を医療チームで行うことが、「がんのリハビリテーション」です。