08/11/25
■ 卵黄加マンニット培地に非定型の菌集落
【質問】
 いつも拝見させていただいております。ご回答いただけたらと思い質問させていただきます。私はアイス製造販売会社にて製品の微生物検査をしております。

 

 黄色ぶどう球菌の検査で, 卵黄加マンニット培地に発育する菌があり (添付画像), コアグラーゼ試験では陰性になります (マンニットは35℃, 48時間培養です)。黄色ぶどう球菌特有のコロニーではなく, 表面は平で白色〜黄色, コロニー周囲の培地はピンク色になっています。セレウス菌が卵黄加マンニットに発育する場合によく似ている気がするのですが・・・

(1) 工場の製品だけにこのような菌が時々あり, 製品に問題はないのか不安になります (一般生菌, 大腸菌群に問題はありません)。大丈夫でしょうか???

(2) 一度同定して調査したほうがよいのでしょうか???

回答, よろしくお願いします。

【回答】
(1) 写真を見た第一印象は, 黄色ブドウ球菌のコロニーだと思いました。“大丈夫でしょうか???”という質問に対しては「大丈夫でない」という回答になります。一度, グラム染色して染色性と形態を観察してください。

(2) さらに, 一度同定して調査してください。過去の質問箱も参考にしてください。
http://www.jarmam.gr.jp/situmon3/oushoku-budou.html
http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/staphylo-ranou.html
http://www.jarmam.gr.jp/situmon/ranou_lecithinase.html

(日水製薬・小高 秀正)

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