①理念
現在、地域の病院や診療所の医師が、地域医療を支えています。今後の日本社会の急速な高齢化等を踏まえると、健康にかかわる諸問題について適切に対応する医師の必要性がより高くなることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を学術的に評価し、新たな基本診療領域の専門医と位置づけられます。総合診療専門医の質の向上を図り、以て、国民の健康・福祉に貢献することを第一の目的とします。
②使命
日常遭遇する疾病と傷害等に対して適切な初期対応と必要に応じた継続的な診療を全人的に提供するとともに、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看とりなど、保健・医療・介護・福祉活動に取り組み、絶えざる自己研鑽を重ねながら、地域で生活する人々の命と健康に関わる幅広い問題について適切に対応する使命を担います。
2 専門研修後の成果(Outcome)
地域を支える診療所や病院においては、他の領域別専門医、一般の医師、歯科医師、医療や健康に関わるその他職種等と連携して、地域の保健・医療・介護・福祉等の様々な分野におけるリーダーシップを発揮しつつ、多様な医療サービス(在宅医療、緩和ケア、高齢者ケア等を含む)を包括的かつ柔軟に提供できます。また、総合診療部門(総合診療科・総合内科等)を有する病院においては、臓器別でない病棟診療(高齢入院患者や心理・社会・倫理的問題を含む複数の健康問題を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者の緩和ケア等)と臓器別でない外来診療(救急や複数の健康問題をもつ患者への包括的ケア)を提供ができます。
具体的には以下の7つの資質・能力を獲得することを目指す。
(1) |
人間中心の医療・ケア 1)患者中心の医療 2)家族志向型医療・ケア 3)患者・家族との協働を促すコミュニケーション |
(2) |
包括的統合アプローチ 1)未分化で多様かつ複雑な健康問題への対応 2)効率よく的確な臨床推論 3)健康増進と疾病予防 4)継続的な医療・ケア |
(3) |
連携重視のマネジメント 1)多職種協働のチーム医療 2)医療機関連携および医療・介護連携 3)組織運営マネジメント |
(4) |
地域志向アプローチ 1)保健・医療・介護・福祉事業への参画 2)地域ニーズの把握とアプローチ |