ご挨拶


2021年4月に講座主任を拝命しました益岡尚由と申します。金沢医科大学薬理学教室には2011年に講師として着任して以来、西尾眞友教授ならびに石橋隆治教授のもと、研究と教育に携わってまいりました。

私は大学院生の頃から継続して受容体による神経機能の調節について行動薬理学と電気生理学をベースにした実験手法により研究を行ってきました。認知機能から体性感覚まで幅広い領域の研究を手掛けてきましたが、近年では、特に様々な疾患によって生ずる疼痛や感覚異常の発生機構解明を目指した研究に力を入れています。金沢医科大学は、多くの共同利用機器が備わっており、また教室間の隔壁も少なく、研究環境に大変恵まれています。この環境を存分に生かし、当該分野の薬理研究に興味のある学生、臨床医、研究者が、自由な考えで研究に参加できる環境を整え、将来的に当教室から有効な治療標的の発見、治療薬開発に結びつく成果が上げられるよう、研究を活性化していきたいと思っています。当教室の研究に興味がある学生さん、研究者の方がいらっしゃいましたら、是非お声掛けください。もちろん、すでに大学院(臨床系講座や他学部大学院など)に在籍中で、基礎薬理研究を行いたい、または当研究室の技術を使って現在の研究を発展させたいという意欲ある学生さんの研究サポートも行います。

教育面では、薬理学は将来臨床医として働く上で欠かせない知識であることから、学生に苦手意識を持たせない講義・実習にするよう努めていきます。科学的思考をもとに薬物を理解することに重点を置き、近年の目覚ましい薬物治療学の進歩に十分対応できる能力を持った医師を養成できるよう教育を行いたいと思います。研究者、医師、看護師としてのキャリア形成に全力で協力したいと思っています。薬理学の講義でわからないこと、研究について知りたいことがあれば、遠慮なく質問に来てください。

これからも医学教育ならびに薬理学研究に微力ながら尽くしていきたいと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

令和3年4月

益岡 尚由



略歴
1979.12 岡山県岡山市生まれ
1998.3 岡山県立岡山朝日高等学校卒業
2003.3 静岡県立大学薬学部薬学科卒業(指導教員:野口博司教授)
2005.3 岡山大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了(指導教員:亀井千晃教授)
2008.3 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科博士後期課程修了(同上)

2008.4-2011.3 徳島文理大学香川薬学部病態生理学講座 助教(小西史朗教授)
2011.4-2017.3 金沢医科大学医学部薬理学 講師(西尾眞友教授)
2017.4-2021.3 金沢医科大学医学部薬理学 准教授(石橋隆治教授)
2021.4-現在 金沢医科大学医学部薬理学 教授